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記者会見

トップページ > 記者会見 > 『ブラインドネス』来日記者会見

来日記者会見

2008-11-21 更新

フェルナンド・メイレレス監督、ジュリアン・ムーア、伊勢谷友介、木村佳乃、ドン・マッケラー(脚本)、ニヴ・フィッチマン、洒井園子(製作)

TOKYO!

配給:ギャガ・コミュニケーションズpowered by ヒューマックスシネマ
11月22日 丸の内プラゼールほか全国ロードショー
(C)2008 Rhombus Media/O2 Filmes/Bee Vine Pictures

 1人の日本人男性をきっかけに、突然視力を失ってしまう伝染病が発生。被害の拡大を恐れた政府は感染者を収容所に隔離するが、所内には不安が満ちる。だがそこには、夫の身を案じ同行した“見えている”妻がいた……。
視界を奪われてしまう恐怖を描いた映画『ブラインドネス』の来日記者会見が行われ、フェルナンド・メイレレス監督(『シティ・オブ・ゴッド』『ナイロビの蜂』)、ジュリアン・ムーア、伊勢谷友介、木村佳乃らが登壇した。

まずはご挨拶からお願いします。

フェルナンド・メイレレス監督: 来日は5度目になりますが、毎回来日するのがとても楽しみなんです。招いていただいてありがとうございます。
ジュリアン・ムーア: 今日は来ていただいてありがとうございます。私は初来日になります。まさにこの作品はコミュニティーについて語っていますので、暗い部屋で見知らぬ人たちと観るのが理想ですね(笑)。私のニューヨークの友人が「この映画を観て、街に出るといつもとは違う感覚があった」と言っていました。私も一般の映画館で観てみたい気持ちがあります。
伊勢谷友介: この作品はとても大切なテーマを持っています。ご覧になって、いろいろ感想を聞かせてください。
木村佳乃: 女性としても女優としてもとても素晴らしい作品に出会うことができて、とても光栄に思っています。

盲目を演じるため、どんなトレーニングをしたのでしょう?

フェルナンド・メイレレス監督: まず、エキストラのためにブラインド・キャンプを作ったんです。盲目でもゾンビが歩いているようにはして欲しくなかったのです。本当に目が見えていないという状態でいて欲しかったので、アイマスクをかけて4~5時間おいかけっこをしてもらいました。うまく行きましたね。だから、私も含めキャストやクルーたちにも同じことをしてもらいました。とても役に立ったと思います。
伊勢谷友介: 目隠しをしたままトレーニングをしました。目を閉じていると、いろんな感覚が研ぎ澄まされるんです。10メートル先で走っている車も、1メートルくらい近くにいるように感じられて、すごい恐怖がありました。思わず隣にいる人をつかんでしまうんです。頼るのはすぐ側にいる人だけ。その体験はふだんの仕事の中でもいえることですが、愛情があれば安心感があるんですね。それがなければ関係は崩壊してしまう。そういったことがこの映画のテーマかもしれません。良い経験をしました。
木村佳乃: 私の役は、目が見えなくなることで憂鬱になる役なんです。ワークショップの経験は舞台ではありましたが、アイマスクをしての訓練はとても怖いものでした。どこにいるかもわからず、その場にしゃがみこみ、一歩も歩けなくなるような恐怖を覚えました。歩けばいろんなところにぶつかってしまうし、ほんとに怖かった。ワークショップが役に立ちました。

ジュリアン・ムーアさんのような素晴らしいキャリアを持っていらっしゃる俳優に、どのような演技指導をしたのでしょうか?

フェルナンド・メイレレス監督: ほとんど何も指示しなくて良かったです(笑)。監督としてこれほど楽な女優さんはいないですね。彼女の思った通りにやってもらえば、それで最高なんですから(笑)。彼女はあらゆる面で、心を込めて参加してくれました。
ジュリアン・ムーア: メイレレス監督はとても思いやりのある方で俳優をよく見ていてくれます。繊細な目を持っていて、私たちの心のうちにあるものをうまく引き出して撮ってくれます。私はこの監督と一緒に仕事がしたいと思っていたし、実際に仕事をすることができてとても光栄に思っています。素晴らしい監督ですね。

ジョゼ・サラマーゴの原作「白い闇」を映画化するにあたって、プレッシャーは感じませんでしたか?

フェルナンド・メイレレス監督: すごく大きなプレッシャーを感じました。なにしろポルトガル語の作家でノーベル賞をとったのは彼だけなので、映画化しようと思ったのを後悔したほどです(笑)。サンパウロは日本の影響を大きく受けています。お寿司も普通にあります。日本に来ると故郷に戻ったかのような安心感がありますね。ご存知かもしれませんが、ブラジルは日本以外では一番多くの日本人が住んでいるんですよ。

ムーアさん、日本の俳優と共演した印象を聞かせてください。

ジュリアン・ムーア: 二人ともとても綺麗で、モデルのようですね。二人が喧嘩をして、再会するという感情的な難しいシーンを撮影したとき、あまりに二人が素晴らし演技をしたので、それを見ていたスタッフが泣き崩れました。本当に二人とも才能ある素晴らしい俳優だと思います。一緒に仕事が出来て、知り合うことができて幸運だと思っています。
この日のゲストには、映画のヒット祈願を願って相撲界の芝田山親方が特大のおまんじゅうを持参して現れた(大きなおまんじゅうの中にたくさんの小さなお饅頭が入っているという子宝饅頭を持参)。酒樽も用意されており、全員で仲良く鏡割りをして映画のヒットを願い、会見は終了した。

ファクトリー・ティータイム

『シティ・オブ・ゴッド』『ナイロビの蜂』で絶賛を浴びたブラジルのフェルナンド・メイレレス監督が、ノーベル賞作家ジョゼ・サラマーゴの小説「白の闇」を映画化した感染パニック・サスペンス。失明して、極限状態に置かれた人間たちの本性があらわになっていく……。この秋にピッタリのサスペンスパニック映画です。
(文・写真:Sachiko Fukuzumi)


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