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トップページ > インタビュー > 『881 歌え!パパイヤ』ミンディー・オン、ヤオ・ヤンヤン インタビュー

ミンディー・オン、ヤオ・ヤンヤン インタビュー

2008-08-9 更新

歌うだけではなく踊りや演技もしないといけない、自分の役も忘れてはいけない。これらを全て一緒にやるのは難しいことでした

881 歌え!パパイヤ

ミンディー・オン

1979年シンガポール生まれ。17歳の時に応募したタレント・コンテストで最終選考まで残り、芸能界デビュー。歌手やパーソナリティとして活動する。近年は何本かの短編映画に出演、本作で長編映画デビューを果たした。

ヤオ・ヤンヤン

1977年マレーシア生まれ。19歳の時に家族と共にシンガポールに移住。舞台俳優の養成プログラムを卒業し、97年から多くの舞台で活躍。2005年には映画界に進出し、『シンガポール・ドリーム』(06)などに出演。本作で、映画初主演を果たす。

配給:マジックアワー+チャンネルアジア
8月9日(土)ユーロスペースにてロードショー

 2007年シンガポール映画界最大のヒット作『881 歌え!パパイヤ』が公開される。今でもシンガポール国内500ヵ所以上で開催されている伝統の歌謡ショー、ゲータイ(歌台)を舞台に2人の歌姫が織りなす恋と友情がいっぱいのシンデレラ・ストーリー、現地では国民の10人に1人が見たというほどの人気だ。日本公開を前に、主役のパパイヤ・シスターズを演じたミンディー・オンとヤオ・ヤンヤンが来日。本作の魅力とシンガポール映画界の現状を語ってくれた。

これが初めての来日ですか?

ミンディー・オン:私は初めてです。
ヤオ・ヤンヤン:3回目です。

今回の日本の印象はいかがですか?

ヤオ・ヤンヤン:今回の来日では、とても美しい気候に恵まれています。去年日本に来た時には毎日厳しい天気で、気温が39度や40度の日が続きました。
ミンディー・オン:日本には初めて来ましたが、来る前にいろいろな人たちから日本についての話を聞いていました。日本に来ての印象は、皆さんが本当に礼儀正しいということです。残念ながら今回は時間がありませんが、たっぷり時間をとって街をブラブラしたいし、日本の皆さんの生活も見てみたいと思います。

この映画では200着以上の衣装を着ていますが、そのための苦労と、中でも一番好きだった衣装を教えて下さい。

ヤオ・ヤンヤン:まず、この映画の衣装を着た時には自分自身を忘れ、舞台の上で生きる別の人間になってしまったような気がしました。一番好きな衣装は、上が白で下は黒のショーツ、背中にはたくさんの羽が付けられたもので、ダチョウになったような気分がしましたし、ラスベガスのショーガールになったような気分もしました。もう1着は真っ白で、背中にすごい羽がつけられたものです。フカヒレのような羽がついているから、まるでサメになったような気分になれるので、この衣装も大好きです(笑)。私は漁村の生まれなので、あの衣装で海に一歩近づき、魚になったような気分でした。
ミンディー・オン:芸者風の衣装も大好きですよ。あと、ひまわりの花をたくさんつけられたような衣装を着た時には、自分が花になったような気がしてとてもうれしかったです。着やすいし、着心地も良かったですね。

お二人が一緒に仕事をするのは、この映画が初めてですか? お互いに最初に会った時の印象は?

ヤオ・ヤンヤン:一緒に仕事をするのは2回目です。初めて会って一緒に仕事をしたのは10年前です。
ミンディー・オン:あの頃、私はテレビ局で仕事をしていました。
ヤオ・ヤンヤン:当時は、舞台やテレビ局でアナウンサーのような仕事をやっていました。
ミンディー・オン:他の友達も一緒に、ヤオと海辺に行ったのを覚えています。でも、その後しばらくは会う機会がありませんでした。
ヤオ・ヤンヤン:一緒に仕事をするのは2回目です。初めて会って一緒に仕事をしたのは10年前です。今回、再び一緒に仕事をすることになったきっかけは、同じ事務所に所属しているからです。
ミンディー・オン:10年前、一緒に舞台劇をやった時には約1ヵ月間毎日一緒でした。
ヤオ・ヤンヤン:一緒に仕事をするのは2回目です。初めて会って一緒に仕事をしたのは10年前です。今回、再び一緒に仕事をすることになったきっかけは、同じ事務所に所属しているからですその舞台劇では、女性同士恋人役を演じていました。シンガポールの芸術祭の出し物のひとつです。

日常生活では、どんなファッションやメイクがお好きですか?日本の女の子たちを見て、ファッションやメイクで感じたことはありますか?

ミンディー・オン:ナチュラル派で、出来るだけメイクはしないようにしています。ですから、仕事以外で街をブラブラする時にはほとんどすっぴんです。自然にしているほうが、自分を感じます。
ヤオ・ヤンヤン:この点では、私たち二人はよく似ています。日本の女の子のファッションとメイクには、非常に個性があると思います。例えば、皆似たようなところもありますが、集まった時にはひとつのトレンドを作ってしまう。こういうところに個性を感じますし、大好きです。
ミンディー・オン:世の中の女性には勤勉な面と怠ける面がありますが、私はメイクとファッションについては怠けるほうですね。日本の女の子は一生懸命メイクをして、皆さん本当に勤勉ですね。だから、私たちは恥ずかしいです。
ヤオ・ヤンヤン:ゴメンね(笑)。

メイクをしなくても、充分きれいですよ。

ミンディー・オン、ヤオ・ヤンヤン:ますます恥ずかしいです(笑)。

全編の大部分が歌によって構成されていますが、これによって大変だったことはありますか?

ヤオ・ヤンヤン:撮影の前後の順番が違っても、上手く繋がるようにするのが難しいところでした。しかも、映画をよく見ると判りますが、演技と演技の間は歌で繋いでいるので、演技の部分の撮影は断片的になってしまいます。こういう演技をやるのは、役者にとっては大変なことです。このような中でどのように集中して役作りをするのか? このあたりが大変でした。
ミンディー・オン:いくつかの場面でのパパイヤ・シスターズの感情の表現です。大部分のシーンは歌っているので、歌いながらの感情表現は結構大変でした。

歌そのものは大変でしたか?

ヤオ・ヤンヤン:冒頭の2曲、まだ下手な頃に歌った2曲は私たちの地声で歌いましたが、女神に出逢いパール・シスターズの声が与えられたシーン以降は吹き替えで、実在するパール・シスターズが歌っています。ただし、撮影の時には仕草や所作などを含めて歌に合わせないといけないので、実際に歌っていました。
ミンディー・オン:一番難しいのは、歌っているだけではなく踊りや演技もしないといけない、自分の役を忘れてはいけない。これらを全て一緒にやるのは難しいことです。
ヤオ・ヤンヤン:冒頭の下手な頃の歌のシーンも、本当はそれなりに歌えるわけですから、結構大変でした。監督は「下手に歌って下さい」と言いますが、音楽監督は「それでは駄目です」と言う。下手でも聞けるようにしないといけない、困ったな、どうしようかな、と悩みました。ですから、下手に歌うのは決して簡単ではありません。結構難しいですね。

見た目は派手ですが裏では孤独を抱えているゲータイ歌手の役どころを演じるにあたり、どんなリサーチをしたのですか? 特に注意をしたところは?

ミンディー・オン:この映画の撮影の前年に、実際に二人でゲータイに登壇して、映画と同じように、有名なゲータイ・シンガーであるチェン・ジン・ランさんの病気治療のため、チャリティで歌いました。ゲータイは、子供の頃からずっと見て育っているので、個人的にも親しみを感じています。
ヤオ・ヤンヤン:シンガポールの皆さんは優しいので、そのチャリティで歌った時には2377シンガポール・ドルを集めることができました。今でもはっきりと覚えています。チェン・ジン・ランさんは映画の中でも我々のアイドルでしたが、残念ながらこの映画の準備期間中に亡くなりました。

シンガポールのエンタテインメントのマーケットは小さいですが、同じようにマーケット規模が小さい香港の芸能人のように、中国など海外でも活動されているのですか?

ミンディー・オン:タレントとしては香港の人と同じように外国でも活動したいですが、シンガポールの映画界の現状は監督が中心です。例えば、映画が外国で上映される時には監督が呼ばれます。ですから、タレントとして外国で活動したいと思います。
ヤオ・ヤンヤン:シンガポールの映画や音楽も、だんだん知られるようになりました。例えば、去年の東京国際映画祭の「アジアの風」部門で最優秀作品賞を受賞したのも、シンガポールの映画『シンガポール・ドリーム』です。
ミンディー・オン:今回はこの作品のために来日させていただき、試写会で舞台挨拶もやらせてもらうことになりました。配給会社の皆さん、ありがとうございます。

日本の皆さんには、この映画のどんなところに注目してきて欲しいですか? 見どころはどこでしょうか?

ミンディー・オン:やはり、映画は最初から最後まで全て観て欲しいと思います。エンディングのクレジットロールが流れている時に出て行くことは、絶対に止めて下さい。この映画には、最後の最後まで見どころがありますよ。何かがありますから、ぜひ最後まで観て下さい。この映画を通して、人間の感情とは何か? ということを感じて下さい。
ヤオ・ヤンヤン:(ラスト近くの)ミンディーのメイキャップもぜひ見て下さい。素晴らしいですから。

大部分の日本人はそんなにせっかちではないですから、エンディングのクレジットロールが終わるまで映画館の椅子に座って観ていますよ。

ミンディー・オン:それは良いことです!
ヤオ・ヤンヤン:すごいね(笑)。

ファクトリー・ティータイム

東京にいてもなかなか見る機会がないシンガポール映画だが、『881 歌え!パパイヤ』は明るくトロピカルでクロスオーバーした文化のフレーバーが楽しい、まさに土地柄そのものを感じさせる仕上がり。次々と登場する派手な衣装と中華歌謡曲が心地よく、夏にピッタリの映画だ。
(文・写真:Kei Hirai)


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