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記者会見

トップページ > 記者会見 > 『ALWAYS 続・三丁目の夕日』製作報告会見

製作報告会見

2007-11-08 更新

吉岡秀隆、堤 真一、小雪、堀北真希、もたいまさこ、三浦友和、薬師丸ひろ子、
小日向文世、須賀健太、小清水一揮、山崎 貴監督、
阿部秀司(エグゼクティブ・プロデューサー)、
奥田誠治(エグゼクティブ・プロデューサー)

ALWAYS 続・三丁目の夕日

配給:東宝
11月3日(祝・土)全国東宝系ロードショー
2007「ALWAYS 続・三丁目の夕日」製作委員会

 日本中がノスタルジックな思いに浸って笑い涙した『ALWAYS 三丁目の夕日』から2年、ついに待望の『ALWAYS 続・三丁目の夕日』が公開される。7月4日(水)、東京・日本橋のプラネタリウム跡地にて製作報告会見が行われ、会見前にはキャスト・スタッフがマスコミ陣と共にプラネタリウムに映し出された約7分のプロモーション映像を鑑賞。感動の余韻も覚めやらぬ中、口々に映画への期待を語った。

-----まず、ご挨拶をお願いします。

阿部秀司:今日は足元のお悪い中、多数お集りいただきまして本当にありがとうございます。今ご覧いただきましたように、現在、CG部分を必死になって作っておりますけれども、この『ALWAYS 続・三丁目の夕日』という映画は私たちにとってハードルが高いということは初めから分かっていましたので、山崎監督をはじめ、作れるとは夢にも思っていませんでした。いろいろな問題がありましたが、まずこれだけ素晴らしいキャストの方々が再び集まってくださるのだろうか、スタッフがもう一度同じことを出来るのだろうかと考えた時に、そのハードルは非常に高いと初めから分かっておりました。ですから、続編が作れたこと自体が奇跡であると思っております。
 そういうことで、今ご覧いただいたのはその一部ですけれど、必ず素晴らしいものが出来あがると確信しておりますので、楽しみに11月をお待ちください。本当にありがとうございました。
奥田誠治:今回、この続編が11月に公開できるということで、実はすでに全世界20ヵ国以上の映画祭に招かれまして、日本の心を世界に伝えるという大きな役割を担うこととなりました。そういうわけで、より一層この作品が全世界に出ていくことを私たちは心から祈っております。そして日本でも、一人でも多くの方に観ていただいて、この作品の素晴らしさを味わっていただければと思っております。前作では日本中のたくさんの方に観ていただいて感動の輪が広がりましたけれども、前作以上にさまざまな方々に観ていただいて、感動を味わっていただければうれしいです。ぜひ皆様にも応援していただいて、この作品を成功させたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
山崎 貴監督:本当に今日はたくさんの方にお集りいただき、ありがとうございます。「続編は作らない」という約束で1作目を作りましたので、「続編を作る」というお話を伺った時には“どうしちゃったんだろう?”と思いましたが、たくさんの人たちが続編を観たがっていると伺いましたので、「期待されているなら作ろう」ということで、頑張って2作目を作り始めました。「スタッフ、キャストが1作目と同じでないと僕はやりたくない」と話していたんですが、ここにいらっしゃる素晴らしいキャストの皆さんとスタッフの皆さんがさまざまな想いを胸に再結集してくださって、“本当にこのチームなら良いものが作れるのではないか”と思えましたので、続編を作る決意ができました。
 撮影自体は、キャストの皆さんはすでにキャラクターになりきっていらっしゃるので、僕は三丁目に訪ねていってドキュメンタリーを撮っているぐらいな感覚で、演出というよりもモニターの前で笑ったりしながら観ているだけで良かったくらいです。実際フィルムを繋いでみたらすごく楽しいですし、感動もできるような作品が出来上がりつつあります。
 ただ、問題はCGの部分で、前作以上にいろいろととんでもないことをやろうとしていますので、スタッフたちは今、徹夜しながら大変な作業をしています。 “なんでこんな脚本やコンテを作ったんだ……”と自分を恨みたくなるような大変な作業ですが、公開までにはきっちり作り上げて、また皆さんにビックリしていただきたいなと思います。11月3日公開ですので、よろしくお願いいたします。
吉岡秀隆:今日はありがとうございます。多くは語りません。“美しい国、日本”、それは『ALWAYS 続・三丁目の夕日』の中にあると信じています。ご清聴ありがとうございました(笑)。
堤 真一:先ほど吉岡くんとも話していたんですけど、あの音楽が流れるだけで、完全に涙腺が弛んでしまいます。もちろん、自分たちが芝居している時には、あの音楽は流れていないわけなんですけれども(笑)。今回の映像を観たときには、僕も一観客になって、ウルウルしてしまいました。このキャストとスタッフがほぼ全員揃ってやれることの幸せを感じましたのと、まさかあのセットに戻れるとは思っていませんでしたので、すごく感動しました。それと同時に、僕個人としましては、初日は足がガクガク震えて止まらなかったことを思い出しました。……嘘じゃないですよ(笑)。それは変なプレッシャーを感じたからではなくて、2年ぶりにみんなと会って、その間の成長ぐあいを素晴らしいスタッフさんたちに見透かされるような気がして、“ごまかせない”と思って緊張したんだと思います。これからは僕も一観客として完成するのを楽しみにしています。皆さんも楽しみにしていてください。
小雪:続編をやらせていただくのは初めてでして、正直なところ、戸惑いもありました。というのは、1作品ごとに思い入れがあって、公開と同時に皆さんに観ていただくことによって私の中で終着していたところがありましたので、最初に続編のセットに入った時には“どんな思いがするんだろう”と、堤さんと同じようにすごく戸惑いました。ですが、いろいろな感情は抜きにしても、キャスト、スタッフ、そして関係者の皆さんがこの映画に愛情と情熱を持っていますので、それが画面を通して観てくださる方々に感じていただけるのではないかと思いました。きっとまた11月までには、皆さんの心にポッと灯火がともるような作品に仕上がると思います。ぜひご期待ください。
掘北真希:初めにこの続編を撮影すると聞いた時に、今までにないプレッシャーを感じました。それはたぶん、前回の映画が本当にたくさんの人に観ていただけた作品であり、また私自身もたくさんの人に良い評価をいただいた作品だからだと思いました。前回の撮影から今回まで2年間くらい空いていたんですけど、もしこれで前回の作品の自分に勝てなかったら、私はこの2年間、まったく成長していなかったことになるんだなと思って、前回の自分に負けないようにという気持ちで、この撮影に臨みました。その勝敗は誰が決めるわけでもないんですが、そうやって前向きに撮影に臨めたことはすごく良かったなと思っています。あとは監督が素晴らしいCGで昭和30年代を再現してくださると思うので、皆さん楽しみにしていてください。
もたいまさこ:前作では本当に、いろいろな方に声をかけていただきました。特に年配の方には随分、道を歩いていると声をかけられて、うれしい気持ちや温かい気持ちがこちらに伝わってきて、とてもうれしかったことを覚えています。それをまた皆さんに届けられるのかと思うと、ちょっとドキドキもします。私はもともと四丁目の住人なんですが(笑)、小さな時から知っているおじちゃん、おばちゃんたちみんなが映画を観てくださって、「映画館であんなに感動したことはない」と言ってくださいました。今年の秋に、それをまたお届けできるのがすごくうれしいです。どうぞまた楽しみにしていてください。
三浦友和:今までに100本くらいの映画に参加させていただいているのですが、うちの両親がこれほどまでに喜んだ作品はありませんでした。そしてまた、この作品に参加させていただいたことを非常に誇りに思っております。1週間ほど前にCGの現場を初めて拝見させていただいたのですが、非常に気の遠くなるような作業を目の当たりにしました。11月に公開されると、また違った目で観られるのではないかなと思っております。
小日向文世:この映画は昭和34年が舞台となっていますが、僕はその当時5歳で、うちのおやじがものすごい借金を作って無理矢理テレビを買ったんですね。それで、近所の人たちが集まって、力道山の試合をみんなで観たりしました。そんな時期を過ごしてきましたので、この『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズは幼かった頃を重ね合わせて、“本当にリアルだな”と感じています。先ほども久しぶりに1作目を観ましたが、つくづく良い作品だと思います。僕はこの中では嫌われ者の役なんですけど、それでもまた三丁目に呼んでいただいて、さらに嫌われる役になっていたことは役者冥利に尽きると思いました(笑)。ぜひご覧になってください。
薬師丸ひろ子:続編が出来ると聞きまして、“あぁ、監督をはじめ、スタッフの方々、共演者の方々がとても難しいことに挑むんだな”という気持ちを抱きました。もちろん楽しみではありましたが、果たしてどんな台本が上がってくるのだろうかと待っていましたが、台本は何稿も何稿も重ねられて、出来上がりまでに何十稿と改訂されて私の元に届きましたが、それを読んだ時、涙が止まりませんでした。つっこみどころのない、非の打ち所のない素晴らしい台本にまた巡り合えて、続編の撮影に入ることができました。
 私個人のことを申し上げますと、前作以上にCG合成のシーンに多く出演しています。それがまた、とても面白い場面や壮大な場面だったりしまして、私の分身が昭和34年にタイムスリップした姿を観るのが、私自身、今から楽しみです。先ほどご覧いただきましたが、日本橋のロケーションは撮影のためにオープン・セットを作ったんですが、リハーサルでは実際に日本橋で盛大に行いまして、映画に関わっている感じがしてとても感動しました。出来上がりが楽しみで楽しみで仕方ありません。
須賀健太:またこの役が出来て、すごくうれしかったです。撮影中はみんなとベーゴマをやって遊んでいました。監督も遊んでました(笑)。続編の出来上がりがとても楽しみです。前作を超える面白さとCGを観ることができるのではないかと思います。皆さんも楽しみにしていてください。
小清水一揮:僕は鈴木一平が大好きなので、またこの役を演じることができて、とてもうれしかったです。今回はベーゴマや自転車の三角乗り、竹馬などを一生懸命練習しました。普段できない遊びなので、とても印象に残りました。今回はそういう昔の遊びなども出てくるので、観て楽しんでほしいと思います。

-----このプラネタリウムで昭和34年の世界を体感した感想は?

小雪:正直なところ、これからこういった挨拶がなければ、一観客として、もっと感傷に浸れたのにな……と思いました(笑)。
吉岡秀隆:つくづく良い時代だなと思いました。人が人を思いやる気持ちと、希望という名の未来がいつもあった、単なるセピア色ではない、しっかりした光を観たような気がします。
堤 真一:監督がCGで苦しんでいるとおっしゃってましたけれども、現在のCGの技術にビックリしました。薬師丸さんが映っていた日本橋はほぼCGだったと思うんですが、ビックリしました。だから、……ビックリしました(笑)。
薬師丸ひろ子:私もあの日本橋のシーンは今日初めて観たんですけど、想像していた以上の、私が観たことのない日本橋がプラネタリウムに現れて、ますます他の部分に対しても期待が高まりました。温かくて優しくて、とても素敵な時代だったなと思います。
掘北真希:またこうして自分を客観的に観て、“撮影の時はこうだったな”と懐かしく思ったりしました。完成した作品を観ることが本当に楽しみになりました。
須賀健太:僕も初めて観たんですが、この場で観られるのならば、続編を全部観たいなと思うほど楽しみに思いました。CGもすごく良かったです。
小日向文世:7分間だけだったんですけど僕も感動して、7分間の予告は難しいと思いますが、日本テレビさんでぜひ、あの曲と一緒になるべく長く流して、11月までずっと宣伝してほしいと思います(笑)。まるで製作サイドのような気持ちでおります(笑)。
三浦友和:昭和34年当時、私はまさに東京にいて小学生でしたので、あの風景を見ていたはずなんですが、改めて“こんな風だったかなぁ?”と感慨深いものを覚えました。
もたいまさこ:日本橋はうちから遠くて、ほとんど行ったことがなかったので、今日初めて“こんな感じだったのか”と、すごく感動しました。7分という時間がとても短くて、できればこのまま全編観たいと本当に思いました。早く出来上がるのを楽しみにしています。
小清水一揮:日本橋の部分はCGがとってもすごかったです。今の映像を観て、日本橋がとても綺麗に出来ていて良かったです(笑)。

-----山崎監督、皆さんからだいぶプレッシャーをかけられてますが(笑)。

山崎 貴監督:さっきからいじめみたいに(笑)。頑張ります!

-----昭和34年と現在を比べて、日本人は精神的な部分で何を失ってしまったと思いますか?

堤 真一:前作の時も思いましたが、人との触れ合いですね。見え透いたものではなく、ごくごく普通にあったものが今は無くなってしまったのではないかと。昔は、家族で「絆を持とう」などということをキャッチフレーズにしなくても、絆がきちんとあったと思うんです。でも今は、何かしら「家庭が崩壊しないために」とか、意図的に動いているような気がして、それはたぶん、恐れや金銭的な余裕などのせいだと思うんですが……。とは言いつつ、前作が上映された時にたくさんの方が涙したというのは、きっと皆さんの心の中にまだまだ確実に普通にあるものなんだと思うんです。ですから、あまり覚めた気持ちでは考えたくないですね。人間は根本的にはそう変わらないと思います。
掘北真希:私がお話しして良いものなのかと思いますが、今は何でも便利なものがありますけど、それがあって当たり前だと考えてはいけないなと思いました。私が生まれた時にはテレビがあって、それが当たり前だったんですが、きっと今生まれた子は、テレビはもちろん、携帯電話やパソコンや、もっと便利なものがあって当たり前だと思ってしまうのではないでしょうか。だからこういう映画を観て、私ぐらいの若い人たちが、本当に何もないところからこうしてみんなで頑張ったからこそ今がある、ということを分かってくれたらいいなと思います。

-----前作で出来なかったので今作でやりたかったこと、こういうところが進化したという点をお聞かせください。

山崎 貴監督:CGでいうと、内容は言えないんですけれども、オープニングで大変なことが起こります。それがやりたかったことですね。……こんなあやふやな言い方ではちょっと分からないと思いますけど(笑)。とにかく、オープニングですごいことが起こります(笑)!  それから、話の内容としては、前作では「茶川さんがお父さんになる」というのが核になっていましたが、今作では「茶川さんが作家になる、ものを作る人間になる」ということを核にして、それを取り巻くいろいろな人たちがどう動くかといった部分が描きたかったところです。僕も映画監督になって日が浅いので、「人にものを伝える仕事とはどういうものなのか?」といったことを自問しながら作りました。あとはいろいろな人たちの関係ですよね。人と人との関係は本当に素敵なものだなとつくづく感じましたので。1作目を観た方々から感想を聞かせていただいた時に、いろいろな思い出話もしていただいて、人と人との関係の素晴らしさに心打たれましたので、出来るだけいろいろなエピソードを入れるようにしました。それが今回、僕のやりたかったことです。

ファクトリー・ティータイム

『ALWAYS 続・三丁目の夕日』で象徴的な存在として登場するのが日本橋……ということで、日本橋のプラネタリウム跡地で行われた製作報告会見は、実に粋な趣向の数々で参加者を楽しませてくれた。会場入り口には、あの鈴木オートのオート三輪! 子供の頃には時々見かけた三輪の車、久々に見るとやっぱりキュートだわ~としみじみ……。プラネタリウムも久々だったが、そこに映し出された今は無き日本の光景に、思わずこみ上げてくるものが……。会見後、会場の出口でプレス証と引き換えにお土産を頂いたが、中を見ると、今は懐かしき駄菓子セット+復刻版パッケージの即席ハウスカレー! 映画に登場する子供たちのように、お小遣いを握り締めて駄菓子屋に通い、スカのくじを引き続けた過去に思いっきり引き戻され、ノスタルジックな思いにどっぷり浸ってしまったひと時だった。
(文・写真:Maori Matsuura)


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