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トップページ > 記者会見 > 『恋空』完成記者会見

完成記者会見

2007-11-04 更新

三浦春馬、小出恵介、高橋ジョージ、今井夏木監督

恋空

配給:東宝 11月3日より全国公開
(C)2007映画「恋空」製作委員会

 会員数520万人、月間ぺージビュー19億以上の人気ケータイ小説サイト<魔法のiランド>で半年間人気ランキング第一位を獲得し続けた伝説の作品『恋空』が、映画化された。作者・美嘉の実体験に基づいた作品は波乱に富んだ恋の物語で、自分たちの体験と重ね合わせた女子中高生たちから圧倒的な人気を得ている。会見当日、主演の新垣結衣は突然の体調不良で欠席したが、相手役の三浦春馬と小出恵介、父親役の高橋ジョージ、そして今井夏木監督が、集まった取材陣に本作の魅力を語った。

-----それでは皆様からご挨拶をお願いします。

今井夏木監督:今日こうして、皆さんに完成をご報告できることを、本当にうれしく思っています。この映画は、青春映画のいろいろな思いが集まった物語を、結衣ちゃんをはじめとしたすばらしい役者さんたちと一緒に大切に積み上げて出来上がりました。きっと、誰の心にも届くと信じています。ぜひ、一人でも多くの方に観ていただければと思っていますので、よろしくお願いします。
三浦春馬:『恋空』という作品は多くの女子高生や学生に支持されていますが、このお話を頂いた時には、本当にヒロを演じることが出来るのか、僕で良いのか、すごく考えさせられました。でも、台本を初めて読んだ時に、すごく良い話なのでぜひやりたいと思いました。プレッシャーはありましたが、監督やキャスト、スタッフの皆さんに支えていただき、やっとここまで来ることが出来ました。ありがとうございました。
 (「客観的に見るのは難しいかもしれませんが、出来上がった作品を観て、どのように感じましたか?」と聞かれ)初めて台本を読んだ時に泣いてしまったことに驚いてしまい、すごく感動する話だなと心の底から感じました。
小出恵介:途中から参加して物語の流れを変える役柄だったので、すごくプレッシャーを感じ、緊張していました。でも、事前に監督とお話をして、ヒロとの判りやすい差が見えてきたので、現場では迷いなく演じることができました。ぜひ多くの方に観ていただきたいと思います。
高橋ジョージ:先ほど六本木でパチンコをしていましたら、人が足りないのでちょっと来いと言われ、急遽参加させていただきました。まぁ、そんなわけなので、特にコメントも用意していません。この映画で僕が出ている場面は非常に少ないですが、家族の娘が育っていく、咲いていく花を支える土であるというところを感じていただきたいなと思っています。もちろん、女子高生や恋愛のまっただ中にいる人にも観ていただきたいですが、僕が最年長みたいなキャスティングでかなり若い映画になっているので、娘とどういう話題で話をして良いのか判らない父親の世代にも観てもらいと思います。親子で観終わった後で食事をしながらこの映画についてディスカッションしてもらえたら、世の中が良くなるのではと感じながら参加させていただきました。

-----ここで、本日急病で欠席された新垣結衣さんからのメッセージをご紹介します。

新垣結衣:この映画では、美嘉の人生にどっぷりはまり、激動の恋愛を体験しました。あらゆる感情を出し切ったので、今は、これ以上のラブ・ストーリーは出来ないと思います。温かい作品になったので、ぜひ大切な人と観て下さい。

-----今井監督にとってはこの作品が初めての映画ですが、新垣さん、三浦さん、小出さんと一緒に仕事をしたご感想は?

今井夏木監督:結衣ちゃんは本当に感受性の豊かな女優さんなので、美嘉にはいろいろな困難が続くのですが、その気持ちと向き合うのがとても大変そうでした。「夕鶴」のおつうではないですが、自分の身を削るようにして演じてくれたので、絶対に皆さんも心を打たれる映画になっていると思います。この映画は、結衣ちゃんだからこそ出来たのだと思います。それぐらい頑張ってくれました。結衣ちゃんあっての『恋空』です。
 春馬君に初めてお会いした時には高校の制服姿でしたが、本当に可愛い純朴な男の子に見えたので、正直、“ヒロをやっても大丈夫かな?”と思っていましたが、白に近い金髪にしていただきカメラの前に立った時には、どしんと強い眼で立っていて、“あぁヒロだ、何も言うことはないな”というぐらいヒロに成りきっていたので驚きました。
 三浦君は、この映画で新境地を切り開いたなと思っています。
 小出さんは東京出身なので関西弁のイントネーションにとても苦労されていましたが、その関西弁の効果もあって、海のように大きな優しさの優の雰囲気が良く出ています。小出君以外に優はいないと思っています。
 高橋さんはいつもこんな感じで、現場をすごく和やかにして下さります。ちゃんと場の空気を読んでくださる、素晴らしい役者さんです。

-----三浦さん、ご自身とは異なるキャラクターの役作りはどのように?

三浦春馬:最初にスタッフの皆さんにお会いした時に、「ヒロをどうやって演じようと思いますか?」と聞かれ「考えます」と答えた時に、プロデューサーの方から「ヒロは男らしくてど~んとしているので、普段からど~んとして、不良っぽくしていて下さい」と言われました。僕は本当は気が弱いので、あのような状況下では言われっぱなしでした。「ど~んとしておいて」と言われて、心の中では「いや、いいです、いいです」と思いながら、しょうがなくて「はい、はい」と言っていました。現場に入ってからも、「ど~んとしておいて」と言われていたからかもしれませんが、いつも自然体でいることができ、集中のやり方や本番前の気持ちの作り方を見つけることが出来たので、『恋空』にはすごく感謝しています。

-----新垣結衣さんと共演された感想は?

三浦春馬:原作の美嘉さんは何かしてあげると「わ~い」と喜んでくれるのですが、結衣ちゃんも撮影の合間に何かしてあげると「わ~い」と喜んでくれたので、一緒だと思いました。現場で“あぁ、美嘉だなぁ”と発見することが出来ると、なんかうれしくなりました。結衣ちゃんの芝居も、自然な演技がすごく魅力的で、“やはり、美嘉には結衣ちゃんしかいないな”といつも感じていました。“共演できて良かったな、ありがとうございます”と思っています。

-----小出さん、ご自身は、優とヒロ、どちらのタイプに似ていると思いますか?

小出恵介:それは相手に判断してもらうことなので、自分では判らないですね。でも、僕は優を演じていて、もどかしい部分が多かったです。僕だったら、最後に美嘉を行かせることは絶対に嫌だし、しないだろうし。受け止め方がちょっと違うと思います。

-----高橋さん、新垣結衣さんとはお父さん役で共演されましたが、奥様の三船美佳さんはなんとおっしゃっていましたか?

高橋ジョージ:「美嘉、美嘉」と言っていたら、「美佳は私だ」と(笑)。まぁ、それは置いておいて……、撮影中に食事をする時、みんな若いのでバラバラになっていたのですが、「ダメだよ、家族だからこっちに来いよ」と言って、浅野さんと一緒に皆で食事をしました。この映画の中ではいろいろな事件が起こるのですが、それは恋の表側で、裏側には家族という絆があります。
 結衣ちゃんには、「お前、いろいろ相談しろよ」と言いましたが、彼女はすごくはまりこむタイプですね。本編を撮って、レコーディングをやってとスケジュールが続く状況の中での会見ですが、たぶん、今日体調を崩したことは、本人が一番悔しいのではないかと思います。結衣ちゃんはこの映画のために心身をすり潰し、この映画には彼女の全てが出ていると思います。だから、彼女が一番残念な分、今、僕がこうやってしゃべっているのでしょう(笑)。ぜひ、新垣結衣の体当たりの演技を見てもらいたいなと思っています。

-----『恋空』のテーマはいつも自分を支えてくれる存在がいるということでもありますが、ご自身を支えてくれる存在はどなたでしょうか

高橋ジョージ:はい、娘です。簡単に言うと、夫婦だけでは直線だと思いますが、ここに娘が入るとトライアングルに、更に家族が増えるとだんだん円に近づいていきます。向かいにいる人は意外と見えるのですが、一番身近の隣で手をつないでいる人が見えないのが家族の絆だと思います。この作品では出演するシーンが少ない役をやらせていただいきましたが、参加させていただいたことが誇りで、撮影中にいろいろなことを感じ取らせていただきました。きっと僕の同年代の方も同じことを感じると思います。
小出恵介:自分の周囲にいる人のありがたみは、なかなか気づく機会はないですが、そういうことに気づいた時に、「あぁ、大事にしなきゃ」と思います。それは家族であり、友人です。
三浦春馬:僕は家族です。今は高校2年生ですが、高校に入ってから上京しました。実家は茨城ですが、たまに実家に帰ってお母さんの料理を食べると、「美味しい、すげぇ美味い」と思うので……。今、美味しそうに聞こえませんでした? そんな感じです(笑)。すごく美味しいので、ご飯を食べに帰ろうと思います。そこにいるお母さんはいつも笑顔なので、良いなと思い、励まされます。

-----『恋空』といえば初恋ですが、皆さんの初恋の思い出は?

三浦春馬:小学校1年生です。同じクラスの女の子でからかったりした記憶があるのですが、2年生になるときに僕が転校することになりました。両思いだったらしいのですが、そういう切ない記憶があります。
小出恵介:たぶん、幼稚園の先生だと思います。明確な感情ではありませんが、わざと迷惑をかけたり、鬼ごっこをしている時に先生のスカートの中に入り込んではり倒されたり、何かとかまって欲しかったのではないかと思います。
高橋ジョージ:俺は学童疎開の時に宮城県で……。顔は今の女優さんで言うと沢尻エリカさんみたいな感じで、体型は朝青龍のような(笑)。以上です。

ファクトリー・ティータイム

多くの人を感動させた話題の小説を、新垣結衣を中心に皆一丸となって映画化した現場の空気が十分に伝わってくる会見だった。最年長者である高橋ジョージのムード・メーカーぶりも、花を添えたことは言うまでもない。なお、この後に行われた完成披露試写に腹痛をおして出席した新垣結衣はファンの前で舞台挨拶を行い、主演女優魂を見せた。
(文・写真:Kei Hirai)


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