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『∞ゾッキ シリーズ』製作発表会見

2022-04-04 更新

蒲郡市・鈴木寿明市長、豊橋市・浅井由崇市長、豊田市・太田稔彦市長

TBSドキュメンタリー映画祭 2022zokki 4月3日(日)よりBSデジタル放送「BSJapanext」で先行放送開始
7月よりAmazon Prime Video他配信開始

 日常をシュールに、くだらなくも愛おしい人間たちを描く、蒲郡出身の人気漫画家・大橋裕之の短編集「ゾッキ」。竹中直人・山田孝之・齊藤 工の共同監督した実写映画から約1年。この度、地域ごとに展開する、旅番組・ドラマ・ドキュメンタリーを融合した全12回『∞ゾッキ シリーズ』の製作が決定! 4月3日(日)よりBSデジタル放送「BSJapanext」で先行放送スタート!

 5月には撮影地域でのイベント上映会、7月よりAmazon Prime Videoほか配信スタートも決定し、順次配信コンテンツとして世界に発信される。

 『∞ゾッキ シリーズ』は、「企業版ふるさと納税」の制度を活用した企業による行政の地域振興事業に対する寄付金によって蒲郡市、豊橋市、豊田市の3市で撮影され、映像コンテンツをきっかけとした地域連携と地域創生の新しい形が、ここに誕生した。

 この度、本シリーズの製作を記念して、『∞ゾッキ シリーズ』製作発表会見が愛知県蒲郡市で実施された。映画『ゾッキ』でも監督を務め、ドラマ版でも監督を務める竹中直人監督、大橋裕之氏(『ゾッキ』原作者)、伊藤主税氏(株式会社and pictures代表取締役・プロデューサー)、村上範義氏(株式会社W TOKYO代表取締役社長)、さらに蒲郡市・鈴木寿明市長、豊橋市・浅井由崇市長、豊田市・太田稔彦市長が登壇した。

 昨年の映画『ゾッキ』の公開も記憶に新しい中で、新企画を立ち上げた狙いと、タイトルの『∞ゾッキ シリーズ』に込めた想いについて、伊藤プロデューサーは、「映画『ゾッキ』の裏側を支えてきた方々の裏側を掘り下げたドキュメンタリー映画『裏ゾッキ』が約1年前に上映しました。普段映画を観に行かれると思いますが、映画製作を支える方、クリエイターの方々の裏を見たことがないと思います。僕たちはそこの人たちこそ光り輝いているといつも思っており、映画『ゾッキ』と映画『裏ゾッキ』映画ができる経過と結果を同時に上映したところ、非常に深く観客に刺さり、同時に上映していくというプロジェクトの可能性を感じました。ぜひ続編をという声をよくいただいておりまして、協力者がたくさん集まってきて『∞ゾッキシリーズ』を作ることができました。今回のシリーズでは、『旅ゾッキ』で街の魅力を紹介して、ドラマで才能あるクリエイターが表現を発信して、『裏ゾッキ』で街を大事にする映画を好きでいる人たちに焦点をあてて、人と街とクリエイティブを同時に見せるという狙いがあります。映画『ゾッキ』を監督した竹中監督、山田監督、齊藤監督もゾッキずっと続けていきたいと言ってくれておりまして、なんとかクリエイティブを守り、ずっと続けていきたいなという思いを込めて∞ゾッキというタイトルにしました」とプロジェクトに込めた想いを語った。

 続いて、and picturesと共同プロジェクトとして、若年層へ圧倒的な影響力を持つ、史上最大級のファッションフェスタ「東京ガールズコレクション」を企画・制作し、さらに地方創生やSDGsの推進にも力を注いでいるコンテンツプロデュースカンパニーの村上氏は、「東京ガールズコレクションでの企画力、コンテンツプロデュース力、発信力というのを上手く活かし、地域の魅力や財産をコンテンツ化して全国に発信するという地方創生プロジェクトを目指してまいりました。テレビやスマートフォンの力によって日本全国に情報格差がなくなっている中、体験格差は非常に大きな隔たりがあると強く感じております。今回の『∞ゾッキシリーズ』のプロジェクトでは、地域の魅力や財産、人をコンテンツ化して映像として全国に発信していくという企画なのですが、今回3市ともにコンテンツを共創し、共感しながら発信していく、街の魅力を見ながら同時発信できる素晴らしい企画なのではと感じております。その中でも我々が一番得意とする体験活動という意味ではイベント要素を実施いたしますので、そういうところで力を発揮していければと思っております」と伊藤プロデューサーの想いに賛同した。

 『∞ゾッキ シリーズ』は、各地で撮影されるドラマ「∞ゾッキ」、そしてドラマ製作の裏側を追うドキュメンタリー「裏ゾッキ」、松井玲奈と鈴木 福を旅人に迎えて、地域の魅力を伝える旅番組「旅ゾッキ」に展開していく12回の映像コンテンツだ。ドラマ・パートでは、竹中直人監督が原作「ゾッキ C」より、愛の書店員が歪んだ社会に睨みをきかす『平田さん』を、「ゾッキ B」より、山田孝之監督が見張り台から何かを監視する男の一時を切り取った『見張り台』を、「ゾッキ C」より、齊藤 工監督が郊外のホームセンターの中で想いが行きかう男と女の姿を描いた『シーン1』を実写化。

 映画『ゾッキ』でも監督を務めた竹中監督は、「大橋先生の世界に圧倒的に感動しております。2018年の5月に前野朋哉と一緒に舞台をやっていて、楽屋に遊びに行ったら冷蔵庫の上に『ゾッキA』『ゾッキB』が置いてあって、“面白いっすから”と言われて自分も楽屋で読んだら、ものすごく感動して、“うわ、これ、映画にしたい!”とすごく思ったんです。すぐに脚本の倉持さんに“これを映画にしましょう! 脚本書いてください!”とオファーをして、大橋先生のお話はショート・ストーリーなので、何人かの監督による、オムニバス映画でゾッキを撮ろう!と一気に2018年5月に動き出しました。6月~7月は、もう全て集めました。山田孝之と齊藤 工しか考えられない!音楽はCharaだ!と一気に決めて、こんなに勢いよく映画になると思っておりませんでした。大橋先生の世界はいろいろな想いが詰まっている、僕にとっては1回1回が切なくて、苦しくて、でも合理的で、なんとも言えない世界が広がっていて映像的でした。まさかこんなに早くまた蒲郡で蒲郡の人々と一本の作品をつくれると思ってなくて、今ギンギンに絶賛撮影しております! 2019年の2月に撮った時はずっと天候に恵まれていたのに、今日は雨なんですよ、冗談じゃないよ~(笑)。今日だけ雨で残念ですが、これから戻って撮影です。蒲郡は自分の帰るべき場所になっています。そして∞ゾッキというタイトルでずっとゾッキを続けられること大変嬉しいです」と新作への心境を語った。

 大橋先生も「とても嬉しいです。冷静に考えると信じられないです」と喜びを語った。

 今回のドラマで新作「平田さん」を監督する竹中監督は、「原作は書店ですが、設定を喫茶店に変えて撮影しています。とても最高のキャスティングができたなと思っております。音楽もめちゃくちゃ大好きな人にお願いしたので完璧です、最高です。ただ、今日だけ雨なんですよね。(2回目)大橋さんの世界の一部である“平田さん”を映像として、作り上げたいという想いがありました。キャスティングは僕の愛すべきキャストが協力してくれて、蒲郡の街の素敵さと風景を、今日撮影する予定だったのですが、ずっとその場所を絶対移したいと思って、今日楽しみにしていたんです。だけど、雨なんです。あれ、さっき言いました? 3回目か(笑)。でも“平田さん”、とても面白いと思います、音楽も含め楽しみにしてください」と会場に笑いを誘いながら、作品をアピールした。会見では山田孝之監督・齊藤 工監督インタビュー映像も流れた。


zokki

 昨年の映画『ゾッキ』の公開をきっかけに、蒲郡市のシティーセールスと商工会議所を中心 に協力し合う実行委員の活動によって、映画・ドラマのロケ誘致や制作支援が盛んになった。

 蒲郡市の映画『ゾッキ』の制作支援・上映会の裏側を追ったドキュメンタリー『裏ゾッキ』を通して全国に認知が広がり、蒲郡市の鈴木市長は、街の変化について、「まずは∞ゾッキの製作おめでとうございます。そして、竹中監督、大橋先生、お帰りなさい!と言いたいです。2年前に蒲郡で映画『ゾッキ』が撮影されましたが、当時は蒲郡が活性化して市民がとても喜んで、皆さんを迎えていたのを思い出します。このゾッキは“人が人を繋ぐ”映画です。蒲郡は日本中で一番早くコロナで有名になってしまった街なのですが、そういった時に厳しいコロナの中でゾッキというものが我々に力をくれました。竹中監督、山田監督、齊藤 工監督は愛知県観光文化大使にも任命されて、こうして豊橋市、豊田市に元気を繋いでいただくというのは大変嬉しい気持ちです」と感謝を伝えた。

 『デイアンドナイト』『ゾッキ』『MIRRORLIAR FILMS』で山田孝之と各地域で実行委員会を組成して映画を製作してきた伊藤プロデューサーは、地域連携について、「僕は10年以上地域で映画を撮っていますが、情報格差や体験格差が非常に大きくなっているなと思います。東京以外でもいろいろな地域が元気であってこそ日本が元気だと思っています。官民一体で実行委員会を作って、撮影ロケ地に人やつながりを残している制作の仕方をしています。映画は文化祭要素があり、非常に人が集まりやすく、老若男女が映画制作のために集まってコミュニティができるというものが武器です」と語り、山田孝之との製作秘話について、「映画は大橋先生の出身地である蒲郡で撮っていたのですが、“愛知の映像コンテンツの出口がすごいね”と山田監督、齊藤監督がおっしゃっていて、山田孝之さんが豊橋市に出向いて、一緒に映画撮りませんかとお声がけしたり、豊田市に関しては、蒲郡の撮影中にシティー・プロモーションの方々がいつか豊田でということを言っていただいたので、今に繋がっています。映像コンテンツをきっかけに人のコミュニティや地域のコミュニティができて嬉しいなと思いますし、非常に強い可能性を秘めているなと思います」と語った。

 豊橋市の浅井市長は、「地域や企業が一緒になって地方創生に向けて協力し合うことはいろいろな可能性があり、良いチャレンジだなと思います。市民が誇りに思ってくれて豊橋のことをもっと好きになってくれますし、市民が発信してくれるので、プロモーションとしても効果があり、大きな影響になっています。旅ゾッキの旅人も豊橋出身の松井玲奈さんがやってくださいますが、豊橋も日本の真ん中にあって農業も食も良いものがあって、気候温暖でバランスが取れた良い地域だと思っておりますが、地元で育ったのでおすすめの色や観光の名所や地元の人しか知らないようなことも発掘してくれるんじゃないかと思います」と語り、豊田市の太田市長は「豊田市は車の街と言われていて、車以外に何があるかと問うた時に大抵の人は車だけでしょという反応が多いのですが、そんなはずはない、でもそれを伝えようとしても難しい。今回∞ゾッキに期待するのは、ゾッキ目線、大橋先生目線、監督の目線などそういう目線を通して、豊田市を見ていただくと、どういったふうに見えるのかものすごく大きな期待です。当たり前の日常がゾッキの世界観を通して見るとどうなるんだというのを示していただけると、大きな強みになると思っています。単なる言葉を超えて、映像を通して見させてもらうことで、今回の企画からたくさんの刺激をいただけると思っております」と期待を寄せた。

 さらに、大村秀章 愛知県知事からもコメント映像が到着。

大村知事 コメント

 皆さん、こんにちは。愛知県知事の大村秀章です。 このたび、ゾッキ新作の制作が決定したとのことで、誠におめでとうございます。 昨年公開された映画『ゾッキ』は、蒲郡市で撮影が行われ、多くの市民が積極的に撮影支援に参加することで、地域が大いに盛り上がり、街が賑わい、活性化につながった素晴らしい事例だと思います。今回は蒲郡市に加えて、豊田市、豊橋市とも連携しながら撮影が行われるということで、愛知県内で地域を盛り上げる取組みが広がっていることを大変嬉しく思います。愛知県としましてもこのような素晴らしい取組みを応援してまいりたいと思います。「∞ゾッキ シリーズ」を多くの方が楽しみ、そして愛知県の地 域振興に大いに貢献してくれることを期待しております。「∞ゾッキ シリーズ」の展開、心待ちにしています。


 続いて、衆議院議員の野田聖子先生から届いたコメントも読み上げられた。

衆議院議員・野田聖子 コメント

 皆さまこんにちは。野田聖子です。
 「∞ゾッキ シリーズ」の製作決定、そして発表記者会見の日を迎えられたこと、誠におめでとうございます。
 私と「ゾッキ」のお付き合いは2020年の9月、知人の紹介でプロデューサーの伊藤主税さんとお会いし、「映画地域開発プロジェクト」のお話を伺ったところからスタートしました。映画で地域を元気にするという取り組みに気持ちが弾んだことを今でも鮮明に覚えています。
 今回は、前作の蒲郡市に密着したプロジェクトから、豊橋市、豊田市を交えた3市連携の取り組みへ展開されたと伺いました。そのアイデアと行動力から、今後このプロジェクトがどこまで発展するのかがとても楽しみです。地域一体となった映画製作による地方創生の取り組みに感銘を受けた者として、そして「ゾッキ」の不思議で魅力的な世界観に強く引き込まれた一人として、これからも応援させていただきます。
 最後に、3名の共同監督である竹中直人さん、山田孝之さん、齊藤 工さんをはじめ、企画・製作に携わられるすべての皆さまのご健勝と、本プロジェクトのご成功を祈念申し上げ、メッセージとさせていただきます。


 最後に竹中監督より、これから『∞ゾッキ シリーズ』をご覧になる観客へ、「最高のチームでまさかここまでゾッキを続けていけるとは……夢のような体験をさせていただいてます。いろいろな地域が舞台となってゾッキを続けていけること、本当に本当に皆さんに感謝です。絶対に『∞ゾッキ』は面白くなると思います。孝之がどんな世界をとるのか、工がどんな世界をどんなふうに捉えていくのか、本当に楽しみです。皆さんも楽しみにしてください。では『∞ゾッキ』で会いましょう!」と挨拶をして、会見は幕を閉じた。



タイトル:∞ゾッキ シリーズ

 製作・著作:and pictures
 企画:and pictures Your Films W TOKYO

■ドラマ『∞ゾッキ』
 原作:大橋裕之「ゾッキA」「ゾッキB」「ゾッキC」(カンゼン刊)

「平田さん」
 監督:竹中直人
 脚本:和田清人・竹中直人

「見張り台」
 監督:山田孝之
 脚本:小寺和久

「シーン1」
 監督:齊藤 工
 脚本:倉持 裕

 プロデューサー:伊藤主税、山田孝之、田嶋康弘
 制作プロダクション:Lat-Lon and pictures Your Films


■ドキュメンタリー『裏ゾッキ』
 ナレーション:松井玲奈
 監督:篠原利恵、榊原有佑、原田大誠

 プロデューサー:牧 有太、伊藤主税、山田孝之、田嶋康弘
 制作プロダクション:テレビマンユニオン Your Films


■旅番組『旅ゾッキ』
 旅人:松井玲奈、鈴木 福
 監督:篠原利恵、榊原有佑

 プロデューサー:牧 有太、伊藤主税、山田孝之、田嶋康弘
 制作プロダクション:テレビマンユニオン Your Films


 『∞ゾッキ シリーズ』公式HPhttps://mugen-zokki.jp/ (外部サイト)
 公式Twitterhttps://twitter.com/zokki_movie/ (外部サイト)
 公式Instagramhttps://www.instagram.com/zokki_movie/ (外部サイト)
 公式Facebookhttps://www.facebook.com/zokki.movie/ (外部サイト)


放送・配信情報:4月3日(日)よりBSデジタル放送「BSJapanext」で先行放送開始
7月よりAmazon Prime Video他配信開始



(オフィシャル素材提供)



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