インタビュー・記者会見等、映画の“いま”をリポート!

Cinema Factory

Cinema Flash



舞台挨拶・イベント

トップページ > 舞台挨拶・イベント > 『猫は逃げた』

『猫は逃げた』先行上映会

2022-03-09 更新

山本奈衣瑠、毎熊克哉、手島実優

猫は逃げたnekowanigeta ©2021『猫は逃げた』フィルムパートナーズ
SPOTTED PRODUCTIONS
2022年3月18日(金)新宿武蔵野館ほか全国順次公開

 3月8日(火)、新宿武蔵野館にて、監督:今泉力哉、脚本:城定秀夫によるL/R15のR=『猫は逃げた』の先行上映会が行われ、主演の山本奈衣瑠、共演の毎熊克哉、手島実優が舞台挨拶に登壇した。


 近年、続々と話題作が公開され、今最も注目されている今泉力哉監督と、Vシネマ・ピンク映画界のトップ・ランナーにして2021年は『性の劇薬』『アルプススタンドのはしの方』が連続ヒットとなった城定秀夫監督がお互いの脚本を提供しあうプログラム・ピクチャー「L/R 15」。

 監督:今泉力哉、脚本:城定秀夫による『猫は逃げた』は、飼い猫“カンタ”をどちらが引き取るかで揉める離婚直前の夫婦とそれぞれの恋人の話。1匹の猫と愚かで不器用な4人の男女によって繰り広げる異色の恋愛狂騒劇だ。

 レディコミ漫画家の亜子を演じた山本は、今回が映画初主演。「“役を作る”ということがとういうことかあまり分かっていなかったので、自分なりにできることを頑張ろうと思いました。亜子さんってどういう人間なのか、おそらくこの前日はこう過ごしていたんじゃないかとか、台本に書かれていない部分を想像しながら、亜子と一緒に日々過ごしていました」と撮影を述懐。続けて「亜子を考えていけば考えていくほど、台本を読みながら『(亜子のことが)すっごく分かるよー!』と感じていました。私にも近いところがあるのかな? お互いに引き寄せあった感覚で、ちゃんと亜子と寄り添えたと思います」と、“亜子と過ごした時間”を感慨深げに振り返った。


nekowanigeta

 一方、脚本を手がけた城定監督の過去作に出演経験もある毎熊は、MCから「台本に城定さんらしさを感じた点は?」と聞かれると「(城定さんの)匂いがしてくる感じがした」と独特な表現で客席を笑わせる。さらに「決定稿の前にいろいろなバージョンの台本がある中で、登場人物と動物とでカーニバルをする描写があって(笑)。城定さんっぽいですよね。最後の終わり方など、時代が分からない感じも『らしいな』と思いました」と笑顔。作家になる夢を持ちながらも週刊誌記者として働く広重を演じるにあたっては「強い意志を持っている人はほんのひと握りで、大半は悩みながら目の前の仕事や家庭に向き合っていると思うんです。広重も『こう生きたい』という気持ちがあるものの、日々の生活に流されてどうしたらいいか分からなくなっている人なんだと思います」と自身が演じたキャラクターに共感を寄せる。


nekowanigeta

 そんな広重の同僚で恋人でもある真実子を演じた手島は、「真実子役は絶対に自分がやりたかった」と吐露。その理由について「真実子は、(台本の)字面だけを読むと奇行が目立つキャラクター(笑)。だから役作りする上で一番気をつけたのは、ただやばいだけの人に思われないようにしよう、と。彼女は広重との恋で暴走しちゃっただけかもしれないし、普段は真面目かもしれないし、仕事ももっと頑張っているかもしれない。俳優として、台本には書かれていない真実子のひとりの女性としての魅力を“足していく”作業をやってみたいと思いました」と明かした。


nekowanigeta

 今回、今泉組へは初参加となった3人。山本さんは「私が自分の感情をうまくコントロールできなかった時、今泉さんはそこさえも肯定してくれました。そして肯定した上で、『じゃぁ、こうしてみよう』と提案してくれたんです。私はまだ、お芝居をする感覚を見つけている段階で、(演じている間は)誰かにはなっているけども、“私”でもある。監督が肯定してくれたことで、自分が今まで生きてきたことも肯定してもらってる感覚があり、すごいなと思いました」と感謝の気持ちを述べた。そのやりとりを傍で見ていたという毎熊も「奈衣瑠さんは亜子という役の可能性を広げて演じてらして、それに対し、今泉さんが猛獣使いのように接していたのが印象的でした」と語り、手島も「今泉監督は、どの俳優さんに対しても感情のコントロールをする力を持っていらして、想像していたより優しい監督でした」と語った。

 そして話題は、終盤、4人が集まる長回しのシーンについて。「座っているポジション的に、私から見た景色は特別でしたね(笑)。それぞれに違う思いを抱えた目玉が全部こっちを見ていて……。誰に感情を合わせたらいいのか分からなくなり、大変ではありましたが、特別な時間を過ごしたなと思いました」(山本)、「ワンカットで8ページ分撮影するとなると、ある意味、チームプレイが求められる。4人ともすごく集中していて緊張感はあったんですけど、なんか楽しかったです」(毎熊)、「自分の感情を表に出すこともしつつ、相手への助け舟を裏で出してみたり。みんなで一緒に面白いものを作っている感じでした」(手島)。

 また、愛猫カンタ役のオセロについては、山本が「毎熊さんがすごいメロメロになってたのが、もう面白くて。撮影の帰り道も『かわいかったな~』って言ってましたもんね?」と明かせば、毎熊も「かわいすぎてとろけちゃうんです。カンタとの写真は、自分で見てもびっくりするほどフニャフニャの顔していますから(笑)」と“夫婦”そろってオセロの魅力にすっかりやられてしまったようだった。

 最後に挨拶を求められた山本は「映画に出てくる4人は、とても可愛くて、憎めなくて、みんな真っ直ぐで、頑張って生きている。今、いろいろなことが起きていますが、映画を撮影させてもらったり、こうして挨拶させてもらえることが嬉しいし、『猫は逃げた』が皆さんの特別な時間にもなったら嬉しいです」と締め括った。

 『猫は逃げた』は3月18日(金)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開。


L/R15とは?
 『愛がなんだ』『アイネクライネナハトムジーク』『mellow』『his』『あの頃。』『街の上で』『かそけきサンカヨウ』と続々話題作が公開。今最も注目されている今泉力哉監督×Vシネマ・ピンク映画界のトップランナーにして2020年は『性の劇薬』『アルプススタンドのはしの方』が連続ヒットとなった城定秀夫監督がお互いの脚本を提供し合い、R15+のラブ・ストーリー2本を制作。異色のコラボレーションによる新たなプログラム・ピクチャー“L/R15”(読み:えるあーるじゅうご)が始動!



(オフィシャル素材提供)



関連記事

Page Top