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『バブル』劇場公開&小説出版記念トークイベント

2022-04-30 更新

荒木哲郎監督、武田綾乃

バブルbubble ©2022「バブル」製作委員会
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場版 2022年5月13日(金) 全国公開!
NETFLIX版 全世界配信中!

 映画『バブル』は、日本が世界に誇るトップクラスのクリエイターが集結。世界に降り注いだ泡<バブル>によって、重力が壊れた東京で、少年と少女の想いが引かれ合う、グラビティ・アクション・ストーリー。この度、本作の劇場公開を控えるなか、本作のノベライズとして発売された小説「バブル」の発売を記念して、荒木哲郎監督と小説「バブル」の作者・武田綾乃が登壇するトークイベントが開催された。


 武田は代表作『響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ』を皮切りとしたシリーズがテレビアニメ化、『愛されなくても別に』が第42回吉川英二新人文学賞を受賞など、幅広い世代に人気を集める作家だ。そして、本イベントのMCをつとめたのは、ライトノベルの大手レーベル「電撃文庫」から編集者として数々のヒット作品を送り出し、株式会社ストレートエッジを立ち上げた三木一馬。

 会場にはHMV渋谷で小説「バブル」を購入した厳選されたファンが約100人が集まり、荒木監督と武田が登壇すると会場に集まったファンからは暖かく大きな拍手で迎え入れた。

 Netflixでの配信日から一日がたち、周りからの反響について聞かれた荒木監督は「SNS上でこの作品に携わってくれたスタッフたちが投稿してくれていたので、ここは感謝を伝えるチャンスだと思って、とにかく褒めていました」と笑いながら語り、武田は作品の感想を聞かれると「ノベライズを担当するうえで、本当に盛りだくさんの資料をいただき、作品の内容を知ったうえで鑑賞させていただいたのですが、音楽と映像が本当に素晴らしかったです。ヒビキとウタの心の距離感が言葉ではなく、映像で表現されていて、映画の素晴らしさを実感しました」と絶賛。荒木監督は「そう受け止めてほしかったので、ほしい言葉をいただきました!」と笑顔で応えた。武田がノベライズを担当することになった経緯については「三木さんにオファーをいただいたのがきっかけでした。監督が荒木さんで脚本が虚淵さん、キャラクター・デザイン原案が小畑さんと、学生のころに観ていた映画や読んでいた漫画を作られた方々の作品をやれるなんて、興奮して飛びつきました! 作品も素晴らしかったですし、本当に光栄でした」とこの場を借りて改めて感謝の言葉を伝えた。

 武田は小説として『バブル』を描くうえで、共同脚本を担当した佐藤直子からいただいた資料をとにかく読み込んだという。「アクションを小説で描くのは心配でしたが、小説ならではのアプローチで感情を書き込みました。最初にキャラクターの性格が分からないと書けないと思ったのでとにかく佐藤さんの資料を読み込みました。マコトの背景や、シンの結婚指輪、泡がなぜできたのかなど、映画を観た方がもっと知りたいと思うところを盛り込もうと思っていました。アクションのテンポの良さというのは余計なものを削ぎ落として表現できるものだからこそ、小説は映像にないこの世界をしっかり描きました」と語る。


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 荒木も小説版を絶賛しており「映画と小説は2つで一つという作品になったと思う。アクションが主体で構成されたこの作品が文字に起こされる時、読んで面白いものになるのか不安であったので、武田さんの力が必要だと思いました。映画で描ききれなかったシーンや、キャラクターの心の声を小説で説明してくれて、本当に素晴らしかった」と映画と小説が互いを補完し、『バブル』の全てが詰まっていると語っている。

 ここで荒木監督へ本作の着想のきっかけについての質問が。なぜ「にんぎょ姫」を描いたのかについて聞かれると「企画の話をしている時に、ポスターに青空を入れて、青春ラブ・ストーリーを描くとなった時になにをやるか悩んでいました。その時に『にんぎょ姫』がパッと思い浮かんだのですが、『にんぎょ姫』の物語って結構悲しい話で、この悲哀の物語に乗せて描いてみようと思い、とにかく画を描きました。泡の存在は虚淵さんのアイデアだったので、設定で非常にキャッチーになりましたね」と「にんぎょ姫」の物語がモチーフとなったきっかけを語った。

 そして、会場に集まったファンからの質問コーナーに。武田の熱烈ファンから、〈これまでの作品で頑張る少女の姿を描いているが、同時に人の弱い部分も描かれている。このピリッとした雰囲気を描くこだわりについて〉の質問が。武田は頷きながら「小説『バブル』も映画よりもピリつくところが多いと思います。ネガティブな感情をしっかり描いていますが、このネガティブな要素って共感に働くとも思っています。ポジティブとネガティブの要素を描くことで、自分が共感できるキャラクターを見つけることができると思っているので、今回の『バブル』も読んだ人がキャラクターを好きになってくれるように入れていますね」と自身のこだわりを答えた。その回答に対し、荒木監督は「各キャラクターそれぞれが傷を抱えていて、その目線が足されているのはすごく良いなと思いました。尺がもっとあったら僕も映画でそれをやりたかったと思いました!」を笑顔で答え会場を笑わせた。

 熱気溢れるトークイベントもあっという間に終了の時間を迎え、最後に荒木監督は映画『バブル』について、「非常にユニークな映画になったと思っています。アクションが得意な僕やWITSTUDIOがラブ・ストーリーを描いたことでの化学反応が生まれたと思っています。感情に押し寄せる多幸感とアクションの爽快感が見事に融合していて、こういう作品を生み出せた自分が頼もしくも感じました。ぜひ、映画館の大きなスクリーンで観てほしいです」と力強く作品をアピール。武田は小説「バブル」について「劇中のラブパルクールのシーンが本当に大好きで、文字にした時にちゃんと表現できるかなと考えるなど、とにかく挑戦づくしの作品になりました。『バブル』の世界をより深く掘り下げたのがこの小説版だと思うので、映画と合わせて楽しんでほしいです」と笑顔でアピールし、トークイベントは温かい空気の中幕を閉じた。


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(オフィシャル素材提供)



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