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「TOHOシネマズ ピックアップ・シネマ」『ある用務員』『ベイビーわるきゅーれ』舞台挨拶

2021-12-22 更新

阪元裕吾監督、福士誠治、髙石あかり、伊澤彩織

阪元裕吾監督sakamoto-yugo ©2021「ベイビーわるきゅーれ」製作委員会
©2021「ある用務員」製作委員会」



 いま、気になる映画人や映画、もっと注目されるべき作品を邦画、洋画問わずピックアップしてお届けするプロジェクト『TOHOシネマズ ピックアップ・シネマ』。記念すべき第1回は阪元監督がピックアップされ、今回『ある用務員』『ベイビーわるきゅーれ』が特別上映された。この度、映画『ある用務員』『ベイビーわるきゅーれ』の舞台挨拶が12月21日(火)、東京・TOHOシネマズ日比谷で行われ、両作品でメガホンをとった阪元裕吾監督、俳優の福士誠治、女優の髙石あかり、スタントパフォーマーで女優の伊澤彩織が登壇した。


 同イベントのチケットは完売となり、観客でいっぱいとなった会場を見渡した阪元監督は「この景色はさすがに引くというか、見たことがないですし、見上げるのが初めてなので……いやー、ありがとうございます。今やっと実感が湧きました」と感激し、2021年はどんな1年だったか尋ねられると「とにかく広げて届けて、届けて届けてという年で、4年ぶりに映画を1本も撮らなかったので、逆に宣伝の人みたいな気持ちでいたんですけど、『ある用務員』や『ベイビーわるきゅーれ』が広がっていって、お客さんがまたここに戻ってきてくれたことが何より嬉しいですね。今日は人生でも考えられない1日になりました」と感慨深げ。ソワソワとしている阪元監督に福士は「めちゃくちゃ挙動不審(笑)」と突っ込んで会場を沸かせた。

 “殺し屋”という裏の顔を持つ高校の用務員・深見 晃(福士)の戦いを描いたクライム・サスペンスで、阪元監督が「家族とは何か」を描いた映画『ある用務員』で、初主演を果たした福士は、同作での思い出を聞かれると「撮影したのが去年の6月辺りで、緊急事態宣言明けで撮影をしたんですけど、世の中でいろいろなことが起こりまして6日間で撮りました。とっても濃密な(約)1週間を監督と過ごさせていただきました」と打ち明け、「今年1年は『ある用務員』イヤーで、僕も初めて主役をやらせていただいた作品なので、とても意味のある年になったかなと思います」と目を輝かせた。

 また、深見 晃を演じての感想を求められた福士は「毎日戦っていました。ずっと筋肉痛で、今日はガン・アクションがあったり、今日は肉弾戦があったり、今日は階段から落ちてくれとか、スタントマンを用意する、しないみたいな話もありましたが、現場に行ったら誰もいなくて“僕がやるんだ”って感じでした。でもやりたいなと思っていたので、すべてスタントなしでやらせていただいたのも僕の中ではありがたい挑戦でした」と回顧し、「(同作にも出演している)髙石さんも伊澤さんも戦っていたメンバーで、伊澤さんに関してはリアルに強くて、本番で首を絞めるシーンがあるんですけどマジで入っています。僕も命の危機を感じたので」と伊澤のアクションを絶賛。これに伊澤は「逆に血をたぎらせることができてよかったです」とコメントすると、福士「発言がおかしいんですよね」と呆れていた。

 一方、社会不適合者な元女子高生・杉本ちさと(髙石)と深川まひろ(伊澤)の殺し屋コンビが、頑張って社会に馴染もうと頑張る異色の青春映画『ベイビーわるきゅーれ』で、W主演を果たした髙石と伊澤は、同作が高評価を得ている理由を聞かれると、髙石は「今年は皆さんもいろいろなことがあったと思うんですけど、そのおかげと言ったら言葉が違うのかもしれないんですが、外に出られないし、相手としゃべれないし、そういう状況でこの2つの作品では劇中で激しいガン・アクションがあるじゃないですか。そういう部分が現実離れしていて、(コロナの影響で)内にこもっている部分を映画が発散してくれたおかげで、今皆さんと顔を合わせていられているのかなと思いますね」と分析。伊澤も「あかりちゃんが言ってくれた通りで、自粛期間にギュッとなっていた経験が皆さんにあるからこそ、これだけ愛される作品になったと思うので、去年1年間、少ししんどい思いをした分、今年、それを出していくことができたのかなと思いました」と賛同した。

 さらに、監督に無茶振りされたことはあったか尋ねられると、髙石は「現場に行くとセリフがなくなったり、付け加えられたりしてビクビクしていました。2人でセリフ合わせをよくやっていたんですけど、現場に入ると変わるので2人で『どうしようか……。変わったね……』って感じでした」と苦笑。伊澤は「でもベストオブ無茶振りは歌でした」といい、「『らぐなろっく ~ベイビーわるきゅーれ~ feat. Daichi』という挿入歌を2人で歌わせてもらっているんですけど、あれも急遽決まりましたもんね。『1週間後にリハがある』と電話がかかってきたので、びっくりしてボーカル・レッスンをその場で予約して翌日に行きました」とエピソードを明かした。

 イベント後半には、髙石と伊澤は「重大発表があります」と前置きをし、「せーの『ベイビーわるきゅーれ』続編決定!」と発表すると、観客から温かい拍手が巻き起こり、『ベイビーわるきゅーれ』に出演できなかった福士は「本当に嬉しいですね!まさか僕も出られるとは」と早々に阪元監督にプレッシャーを与えつつ、「なんの役でもいいです。あっという間に殺してください」と出演を切望した。

 改めて、続編について阪元監督は「一言で言うなら楽しい映画になると思います」と笑顔で語り、髙石は「今回は銃で済ませちゃうことが多かったので、こういうの(肉弾戦)をやりたいですね。練習期間をたくさん設けさせてもらって、筋肉をつけて、次はかっこいいちさとを見せられたらいいなと思います」と意気込み、続編でやりたいことをすでに阪元監督と話しているという伊澤は「『ベイビーわるきゅーれ』でかっこよさを見せられたので、今度はスタントの面白い部分を出していきたいなと思って、『トムとジェリー』の動画を送りつけています」と告白した。

 最後に、締めのコメントを求められた阪元監督は「『ある用務員』の企画を出したのが3年前で、途中でコロナもあって、大変な期間を経て『ベイビーわるきゅーれ』に繋がって、それがここに繋がっているので、頑張れば何かが繋がっていい景色が見られるんだなと実感しています」としみじみと語り、「小さな規模での公開だったのがこういう状態になったのは、本当に皆さんのおかげです。ありがとうございました!」と観客に感謝し、大きな拍手を浴びた。


sakamoto-yugo


(オフィシャル素材提供)



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