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『弟とアンドロイドと僕』
完成報告イベント

2021-12-15 更新

豊川悦司、安藤政信、阪本順治監督

弟とアンドロイドと僕otoutoandroidboku ©2020「弟とアンドロイドと僕」FILM PARTNERS
キノシネマ
2022年1月7日(金)より kino cinéma横浜みなとみらい・立川髙島屋S.C.館・天神 ほか全国順次公開

 初共演となる俳優の豊川悦司と安藤政信が都内で行われた映画『弟とアンドロイドと僕』完成報告イベントにオリジナル脚本を書き、メガホンを取った阪本順治監督と共に登壇し、ミニ記者会見を行った。


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 本作は、孤独なロボット工学者の桐生 薫(豊川)が自分そっくりのアンドロイドを開発し、“ある計画”を企てるさまが描かれる。桐生の腹違いの弟を安藤が演じている。

 豊川は安藤について、「雰囲気とか、空気とか風とか存在感みたいなものっていうのを、きちっとまとっている人」と共演して感じた安藤の印象を語った。


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 安藤は豊川について、まずはファンであることを明かし、「阪本さんの『顔』という作品での登場シーンがめちゃくちゃかっこ良かった! 色気があって大好きです。アーティスティックな部分と、無頼・一匹狼的な雰囲気を持っている俳優さんだなっていうイメージ。実際、現場で初めてお会いしたとき、すごくかっこ良かったです。今回ご一緒できて嬉しかった」と笑顔で話した。


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 役の都合上、撮影現場でコミュニケーションがあまり取れなかっという2人。安藤はよく音楽を聴いており、役のために自分の中を洗浄していたという。豊川もそんな安藤を真似て現場で音楽を聞いていたそうだ。

 阪本監督は作品について「何かインパクトのある映画を撮りたい、その一心でした。正解を持たない映画です。観た方々がもう1つの物語を作り楽しんでもらえたら……」と思いを伝える。


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 出演オファーを受けたとき、豊川は「阪本監督とがっつりご一緒するのはすごく久しぶりで嬉しかったです。でも、この作品のプロットをいただいたときはびっくりしました。“アンドロイドですか?”とタイトルを3回くらい監督に聞き直しました(笑)。阪本監督の作品だからやるしかないと思いました。一人称で描かれた特殊なプロットで、また新しい阪本さんの一面を見せつけられた気がします」と語った。


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 安藤は、阪本監督とは『亡国のイージス』以来のコラボで、「一緒にやってみたい気持ちが強かった。すぐに“やらせてください”と言いました。阪本さんのこれまでの作品とは違って、ビターな感じで“大人になったな”と思いました(笑)」と語った。この言葉に阪本監督はちょっと苦笑い。

 “究極の孤独”をテーマにした本作の内容にちなみ、孤独を感じる瞬間について聞かれると、豊川は「家にいて、家族がいない時などに“独りぼっち”を実感します。心筋梗塞かな?って思うくらい、胸がギューっと締め付けられるようなことがあったり……」と話した。

 安藤は孤独を感じることはほとんど無いそうだが、以前に映画監督を務めた際に1回だけ感じたという。「山田孝之の企画で映画監督をやらせてもらった時、スタッフとして一流の写真家や美術監督を集めたのですが、監督として役者からもみんなからもすごく意見を言われて……。すべて自分が選択しないといけなかった。めっちゃ孤独でした」と苦労を吐露した。


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 それを聞いて阪本監督は「監督はいろんなパートから細やかな質問を受け続けなきゃいけない。その時に監督を演じてるんですね」と同調していた。

 自身のアンドロイドが欲しいかという質問があり、豊川は「自分のはいい。おなかいっぱい(笑)。亡くなった人にもう一度会えるのは素晴らしい」。安藤は「自身はクリエイターに専念したいので、もう1人の自分は、連ドラとかに出てくれたら……(笑)」と妄想を膨らませた。

 最後に、豊川は「この映画をどう宣伝していいのか全く分からなくて……。でもそういう映画があってもいいと思う。この映画をいろいろな方に観ていただいて、いろいろな国へと旅立って欲しい」。安藤は「好きなタイプの映画を好きな監督と撮れて嬉しかった」、阪本監督は「インパクトのある映画を撮りたいと思った。今の時代に呼ばれたのかな……」と語っていた。


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(取材・文・写真:福住佐知子)



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