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『彼女が好きなものは』
完成披露試写会イベント

2021-11-02 更新

神尾楓珠、山田杏奈、草野翔吾監督

彼女が好きなものはkanosuki ©2021「彼女が好きなものは」製作委員会
配給:バンダイナムコアーツ、アニモプロデュース
12月3日(金) TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー

 【ゲイ】と【腐女子】から「私」と「あなた」へ……。12月3日公開の映画『彼女が好きなものは』の完成披露試写会が11月2日(火)に都内で行われ、主演の神尾楓珠、共演の山田杏奈、そして草野翔吾監督が出席した。


 「異性を愛したい」「家庭を築きたい」。世間で“ふつう”と言われる幸せを手にしたいと願いながらも、自分らしさとの狭間で葛藤する主人公・安藤 純を繊細に演じた神尾。「センシティブな題材なのでそれを背負っての主演は怖かったけれど、製作陣みんなのまっすぐな思いを感じて演じたいと引き受けました。自分の知らない世界の話なので最初は戸惑いましたが、悩みなど自分の身近なことに置き換えれば誰しもが持っている感情だと思った。そこから昇華させて“ゲイ”というテーマに向き合っていきました」と真摯な姿勢で作品に取り組んだ。


kanosuki

 純に恋をする女子高校生の三浦紗枝役の山田は「まっすぐな女の子ではあるけれど、BL好きであることを周囲に言えないという悩みを抱えている。純がゲイであるということをまっすぐ受け止めて紗枝はどうなるのだろうか?と、そんな思いを私が表現できるんだと嬉しかった」と抜擢を喜んだ。


kanosuki

 草野監督は「原作を読んだときに、今まで生きてきた中で身近にあったはずの話なのに自分には見えていなかったものや言いづらかった本音が赤裸々に描かれていると思った。小説を読みながら泣いたのは久々。その反面、自分にこの話を背負うことができるのかと悩んだ。けれど製作陣の熱意を見たことで、いい映画が作れると思った」と映画化に至るまでの心境を口にしていた。

 神尾と山田はこれで3度目の共演。神尾は「最初は僕がこの仕事を始めたばかりの頃に出会って、山田さんのお芝居に『こんな中学生がいるんだ!?』と衝撃を受けました。初共演の頃は足を引っ張ってばかりで……。この場を借りてスミマセン」と謝罪し「二十代になって三度目の共演。どんどん洗練されていっている感じがあり、二十歳にして自分の芯がそんなにあるんだとビックリしました」と山田の成長に驚き。一方の山田は「楓珠君は年上だけれど、フランクに接しても許してくれる。スンとして見えるけれど、面白い部分がある。ガッツリとした芝居は今回初めてですが、楓珠君が純でいてくれたから私も紗枝でいることができた。いい時間でした」と感謝していた。

 また映画の内容にちなんで「実は好きなもの」を聞かれた神尾は「恋バナ」と明かし「学生時代は嫌いだったけれど、大人になってメチャクチャ楽しいじゃなか!と思った。恋バナを聞くだけで楽しくなる。最近も、恋愛できないという友達に対して何の根拠もないのにアドバイスをしました。僕は冷めていると思われがちですが、変にアドバイスとかしちゃいます」と満面の笑み。一方の山田は「知育菓子」と挙げて「“ねるねるねるね”とか好きで一人家でやっています。最近の知育菓子はハンバーグ味のハンバーグが作れたりして楽しい。でも恥ずかしいので一人でやっています」とひそかな楽しみを告白していた。

 また自身のパブリック・イメージについては「真顔でいると“つまらなそう”と言われる」と神尾は明かし、「心の中では楽しんでいるけれど、感情が表に出ないタイプなんです」と自己分析。二十歳の山田は「幼い顔立ちと高校生役が多いことからか、私はブラック・コーヒーを飲むと驚かれる。もう子供じゃないんだから、コーヒーくらいは飲めると言いたいです!」と笑わせた。これら発言に草野監督は「先入観はないほうがいいんですね」と納得していた。

 最後に神尾は「完成作を観た時に、自分の中にありながらもこれまで上手く言語化できなかったものが映画の中で言語化されていると思った。観ていて発見もあったので、観客の皆さんにも考えてもらえる良いきっかけになれば」と期待。山田は「純や紗枝の姿を見ると、自然と感情が湧いてくるはず。自分の中に生まれた感情に対して、まっすぐ向き合ってもらえたら嬉しい」と全国公開に期待を込めていた。



(オフィシャル素材提供)



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