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『ラストナイト・イン・ソーホー』
公開記念トークイベント

2021-11-30 更新

エドガー・ライト(ロンドンからリモート登壇)
長濱ねる、小島秀夫

ラストナイト・イン・ソーホーlnis ©2021 FOCUS FEATURES LLC. ALL RIGHTS RESERVED
パルコ ユニバーサル映画
12月10日(金) TOHOシネマズ日比谷、渋谷シネクイントほか全国公開

 『ベイビー・ドライバー』のエドガー・ライト監督4年ぶりの最新作『ラストナイト・イン・ソーホー』が12月10日(金)よりTOHOシネマズ日比谷、渋谷シネクイントほか全国公開となる。公開を直前に控え実施した特別試写会上映後に、エドガー・ライト監督がロンドンより緊急リモート登壇。さらに特別ゲストとして、夢を追いかける女性の成長物語としての側面もある本作に共感した長濱ねる、かねてよりライト監督と親交が深く「デス・ストランディング」「メタルギアソリッド」シリーズで、世界中を熱狂させ続ける希代のゲーム・クリエイター・小島秀夫監督が駆けつけトークイベントを行った。


 エドガー・ライト監督の長編デビュー作『ショーン・オブ・ザ・デッド』からのファンという小島秀夫監督。エドガー監督とはお互いにtwitterをきっかけにDMでのやりとりを経て、前作『ベイビー・ドライバー』のプロモーション来日時に初対面。以来、小島のゲーム「デス・スト~」にエドガーが出演するなど親交があり、2年前には本作の舞台のロンドン・ソーホーのホテルでいち早くラッシュ映像を鑑賞済みであったとのこと。小島は「エドガーから観てくれ!!と言われていたのでようやく観ることができた!」と喜色満面。エドガー監督作品のファンだったという長濱も、本作に合わせて1960年代の“スウィンギング・ロンドン”ファッションを意識したいで立ちで登壇!


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 ロンドンからの中継によりリモート登壇形式でライト監督が参加。「おはよう!」とモーニング・コーヒーを高らかにかかげ、時差ギャグをかましつつ上機嫌で登場。長濱は「ファッション、特に劇中で使用されている音楽が印象的でした。上京する(トーマシン・マッケンジー演じる)エロイーズのヘッドホンはお揃いのものを持っていたし、彼女が進学するデザイン学校も私自身、中学生時代に行きたいと思っていたこともあったので、重なるところがたくさんあってうれしくなりました」と笑顔。改めて面と向かって伝えるのは恥ずかしいと前置きをしながら、小島は「今までとは一段、二段も違って飛び抜けている。嫉妬しました(笑)。ホラー・テイストだが、女性の夢を応援する素敵な映画。照明の使い方も巧みで、鏡を使って二人の主人公の表裏を上手に描いている。本心から傑作だと思う」と絶賛した。

 劇中に出てくる鏡が重要なアイテムになっていることについて「(ライト監督は)鏡に写った自分が他の人になっている夢をよく見ることがあって、自分がまるで幽体離脱しているような感覚になる。それに僕らは自分たちの夢をスクリーンという鏡に投影したいと思うもの」と説明。その鏡が映るシーンの撮影方法については「実はシンプルなやり方で撮影していて、グリーン・バックはほとんど使用しなかった。セット自体を動かしたり、双子の俳優を起用したり、物理的に撮影している。マジックのような形だね」とアナログな舞台裏を明かし、会場からは驚きの声があがっていた。

 小島から「写ってはいけないものを鏡から消したりはしたの?」と聞かれると、「(ライト監督)それもあるし、鏡を触った際にできる指紋をあえて、デジタルで追加もしている所がある。観ている人を混乱させるようなトリックを使ったので、観客が『どうやって撮ったの?』と思ってくれたら大成功だ!」と細部へのこだわりを伺わせた。

 映画の内容にちなんで「夢」について登壇者へ質問を投げかけると、長濱は「私は読書好きなので、壁一面に本棚のある家に住みたいです。それが憧れ」と照れ笑い。小島は「宇宙飛行士になりたい! JAXAの募集が12月にあるけれど、そうなると仕事を捨てなければならず。悩んでいます」と笑わせた。ライト監督は「僕たちはいつか必ず死ぬので、今まで作られた映画すべてを観ることは不可能。不老不死になってこの世の映画をすべて観るのが夢だね」と自身も根っからの映画ファンを象徴するような夢を熱く語った。

 そして上映後のイベントということもあり、観客からのQ&Aコーナーも。会場からは「映画の色彩設計について」「建物が燃えるシーンの撮影について」など具体的で熱量のある質問が投げかけられ、ライト監督は嬉々として、途中で撮影中のことを思い出したと言いながら予定の時間を過ぎながら熱弁!。

 最後に長濱は「監督のお話を聞いて、細かいところにもこだわりが詰まっている映画。2度3度、何度も観たいと思いました」、小島も「怖いシーンもあるけれど、キラキラした美しい夢見る映画。鑑賞後に珍しくいい気持ちになれる映画であり、クリスマスにすごくぴったりなホラー。僕もあと劇場で3回くらい観たい」と太鼓判。

 ライト監督は「自分としても誇らしく思えるパーソナルな映画です。本当であれば東京に行きたかったけれど、それはまた次回。気に入ってくれたら何度でも観てほしいです」と日本の映画ファンに期待を込めて語りかけ、温かい空気の中、イベントは終了した。


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(オフィシャル素材提供)



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