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『岬のマヨイガ』初日舞台挨拶

2021-08-28 更新

芦田愛菜、大竹しのぶ、粟野咲莉、川面真也監督

岬のマヨイガmisakinomayoiga ©「岬のマヨイガ」製作委員会
配給:アニプレックス
全国公開中

 『千と千尋の神隠し』に影響を与えた小説の作家・柏葉幸子原作の長編アニメーション映画『岬のマヨイガ』の初日舞台挨拶が実施され、主演の芦田愛菜、大竹しのぶ、粟野咲莉、川面真也監督が登壇した。


 芦田は「この映画をいよいよ皆さんにお届けすることができてとても嬉しいです。この映画に出てくるマヨイガっていうのは、訪れた人をもてなしてくれる不思議な家なんですけど、皆さんにささやかな幸せを届けてくれたらいいな」と爽やかに挨拶。大竹は「今人と触れ合うことが出来ない状況の中でこの映画をみて、血が繋がらない親子でなくてもこんなふうに人と触れ合えるんだ、信じあえるんだという優しい気持ちになってくれたら嬉しいです」と挨拶。川面監督は「難しい状況の中、本当に来ていただいてありがとうございます。製作途中からこういう状況でなかなか大変な時期もあったんですけど、スタッフがコツコツ作ってくれました。今日完成して、皆さんにお届けできる日がきて本当に感慨深いですし、すごく嬉しいです」と製作時の苦労をにじませながらも喜びながら、挨拶の言葉を述べた。


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 司会から【本作で共感した部分、自身に影響を与えた部分】を聞かれると、芦田は「私が好きなシーンはユイとひよりとキワさんの3人で味噌おにぎりを縁側で食べているシーンがあるんですけど、本当にくだらない話で盛り上がって、笑いあっているそんな姿がまさに、小さな幸せなんだな、こういう幸せが身近にある日常って素敵だな、ってすごく感じました。わたし自身、学校で友達とたわいもない話をしている時間っていうのがすごく楽しくて、そんな時間があるってすごく幸せなことなんだなって改めて実感しました」と自身が日常で感じる幸せと照らし合わせながらコメント。次に大竹は「たくさんあるんですけど……キワさんの何があっても“だいじょぶだあ”“すんぺすんな”っていうドーンと構えているところがとても好きです。こんなふうに頼れるおばあちゃんになれたらいいなって思います」と話した。また粟野は「この作品には、人とのつながりとか自然の美しさとか、素敵だなと思えるところがたくさん描かれているんですけど、その中でもわたしがとても共感したのは、“食の大切さ”について描かれているところです」と11歳とは思えない言葉に大竹が思わず、「すごいしっかりしてる……(笑)」とすかさず反応。その言葉に照れた様子を見せながらも粟野は、「本当に美味しそうな食べ物がたくさん出てくるんですけど、やっぱり美味しいものを食べている時って、幸せな気持ちになりますし、誰かと一緒に食べると自然と楽しくなって笑顔になれたりするので、“美味しいっていいなあ”って改めて思いました」と劇中に登場する食べ物の美味しさが存分に伝わるコメントをして会場を驚かせた。最後に監督は「制作にあたり、かなりの回数岩手に行きまして、今もすぐにでも行きたいくらい岩手に思い入れが出来まして、なんかそういう思い入れがある場所が増えたっていうのが今回よかったですね」と物語の舞台でもある岩手愛を漏らしながら答えた。


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 次に【本作が居場所を失った少女・ユイとひよりがふしぎなおばあちゃん・キワさんと出会い、3人でマヨイガで暮らすことになり、血のつながりはないけれど“家族”になっていく物語にちなんで、皆さんにとって、“家族”とはどのような存在ですか?】と聞かれると、芦田は「そうですね、私にとっては、いつもそばにいてくれて、支えてくれて、一緒にいるとすごく安心できる存在ですね。やっぱり家族の存在には感謝していますし、家族が応援してくれるから私も何か新しいことに挑戦しようという気持ちになります」と話した。次に大竹は「難しい質問なんですけど……家族というのは、たまたま家族になったという考え方を私はしていて、子供も自分のものではない、いつかは旅立っていくっていうふうに捉えなければいけないなと思いますけど、こういう時期になった時に、会える人や触れ合える人は家族以外ないので、すごく家族っていうものについて考えさせられる時期だな思いますね。私は3年前に母を失って、家族の形態も変わっていくんですけれども、やっぱり人を想う気持ちを大事に家族も大事にしていきたいなって思います」と自身の家族を思い浮かべながらコメント。さらに粟野は「一言でいうと安心です。私にとって家族とは、安心する存在です。お父さんとお母さんはすごい信頼してます」と笑顔でコメント。監督は「制作するにあたって、スタート地点というのを心掛けました。家族というのは、いろいろな形があって、一番キープしなきゃいけない家族との関係というのは僕はスタート地点だというのを僕は考えまして、そのくらいのスタンスで捉えなおしてみようということで本作を作っているので、それが伝わればいいかな、と思っております」と制作する上で監督自身が持っていた家族の考え方を話した。


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 劇中で“ふしぎっと”と呼ばれる河童や狛犬などの仲間たちが登場することを受け、【どのふしぎっとが一番好きでしたか? またそのふしぎっとと何をしてみたいですか?】という質問に、芦田は「やっぱりカッパですかね(笑)。すごく人間味のある感じで描かれていて、一緒に川遊びとかやれば楽しいかもなと思います」と話し、大竹は「わたしもカッパに会ってみたいですね(笑)。でも、座敷童と話してみたいし……でもやっぱりカッパが楽しいです(笑)」と話すと、「そうですね」と隣の芦田が大竹と目線を合わせてほほ笑む様子を見せた。監督「妖怪とは違うんですけど、大きなお地蔵さんが出てくるんですけど、あれは実際盛岡のほうにあるお地蔵さまなんですよ。最初にロケハンに行ったときに原作の柏葉先生に教えていただいて見に行くと、映画ほどではないんですけど、すごく大きくて、親しみがわく感じだったんですよね。それを見て、ふしぎっとと人間の距離感が掴めたのもあって、僕は大きいお地蔵さまが一番好きです」と原作者との交流に触れながら、監督ならではの目線からコメントした。

 そして話題が変わり、学生の皆さんがもうすぐ夏休みが終わる時期ということを受け、【忘れられない夏の思い出や来年こそはこんな夏の思い出を作りたいなど、“夏”についてのエピソードはありますか?】と聞かれると、芦田は「浴衣を着て花火、みたいなイメージなので、線香花火大会?みたいなものをしたいですね」と話した。大竹は「海で泳いだり、川に行ったり、キャンプしたりがあると思うんですけれど、娘が小学生くらいのときに夏休みの自由研究があって、何にするの?って聞いたら、心霊スポット巡りをしたいっていうので、一緒に全国を回って、模造紙にまとめました(笑)。もしかしたらそこでふしぎっとたちと会えてたかもですね(笑)」と自身が親だからこそ経験したエピソードを披露。粟野は少し考えながら、「社会の授業で東北地方について学習した時、南部鉄器という岩手の伝統工芸品があることを知り、南部鉄器でお湯を沸かすと鉄分が入ってすごく美味しいお湯ができると知って、急須がすごく欲しくなりました」と話すと、またもや大竹が「すごいね、小学生で南部鉄器が欲しいなんて……」と感心した様子を見せ、監督は「実は本編にも南部鉄器が少し出てます」と劇中について話した。


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 ここでイベントは最後の挨拶の時間となり、粟野は「心温まるシーンがたくさんある素敵な映画だと思うので、今日この映画を観て、あったかい気持ちになっていただけたら嬉しいです」と緊張した様子ながらもしっかりとコメント。大竹は「このような時期に映画館にきてくださったことを感謝します。劇場を愛してくださって本当に嬉しいです。楽しんでくださったらもっと嬉しいです」と感謝の言葉を述べ、次に芦田は「ユイとひよりとキワさんの3人の間に血の繋がりはないんですけど、二人の温かさに触れてユイが少しずつ前向きに生きていけるようになる姿に共感していただけたら嬉しいですし、そんな3人の姿を見て、大きな幸せっていうのも素敵だけど、何気ない日常に転がっているような小さな幸せを感じていただけたらすごく嬉しいです」と話した。最後に監督は「今日来てもらって、劇場で観てもらえるということが本当に幸せなことだと思いました。観終わって少しでも気楽な気持ちになれればいいなと思って作りました。楽しんでもらえればと思います」と映画に込めた想いを語り、イベントは終了した。


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(オフィシャル素材提供)



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