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『名も無い日』
全国公開初日生配信舞台挨拶付き上映会

2021-06-12 更新

永瀬正敏、オダギリジョー、金子ノブアキ、日比遊一監督

名も無い日namonaihi ©2021『名も無い日』製作委員会
配給:イオンエンターテイメント、Zzyzx Studio
シネマート新宿ほか全国公開中!

 映画『名も無い日』が初日を迎え、舞台挨拶に主演の永瀬正敏、共演のオダギリジョーと金子ノブアキ、メガホンを取った日比遊一監督が出席して、公開の喜びを語った。この日の舞台挨拶は全国の劇場に生配信された。


 本作は、カメラマンでもある日比監督の実話を基に描かれる3兄弟の物語。弟の命日が分からないことから「名も無い日」と名付けられた。長男・達也役(日比監督の役)を永瀬が、次男の章人役をオダギリが、三男の隆史役を金子が演じている。撮影は3年ほど前に日比監督の弟が孤独死した実家でも行われたという。劇中の最後に出てくる手紙も実際に弟さんが書いたものだそうだ。

 新型コロナウィルスの影響もあって、撮影から3年越しの公開となった。永瀬は「あっという間だという気持ちもしますし、やっとという思いもあります。待ちに待った公開日です」と公開に感激もひとしおの様子。


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 コロナ禍で、窮地に追い込まれている映画館について問われた永瀬は「僕にとって映画館は命みたいな場所。クローズされて苦しかった。でも、ようやくこうして公開できた。この状況をポジティブに捉えられれば……」と笑顔も見せた。

 オダギリは「初号試写を観たのがおととし? それ以来なので、改めてもう1回観たいなという気持ちです」とコメント。金子は「やっと公開されて、観ていただけるのが嬉しい。観て、いろいろな人の心に残ってくれると嬉しいです」と思いを伝えた。さらに、「2人のお兄ちゃんと久々に会えたのが嬉しい。撮影の時は甘えさせてもらいました」と撮影時を笑顔で振り返った。 namonaihi

 日比監督は「弟が死んで9年が経って、映画化の構想に6年と、撮影から3年が経ちました。多くの人たちの支援でここまでつながった……」と公開までの道のりをしみじみと話し、「映画というものはお客さんに観ていただいて完結するもの。公開できて、誇りに思うし感動している」と熱い想いを伝えた。


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 日比監督自身を演じることになった永瀬は、「この物語を映画にするのは監督にとって覚悟があったと思います。演じる役である監督がその場(撮影現場)にいてくれることを心強く感じました」とコメントした。

  次男・章人役を務めたオダギリは「自分が出来ることすべて、全身全霊で演じようとしました」と話し、兄弟役で共演した2人について「金子さんとも永瀬さんともがっつり芝居をしたことはなかったのですが、やってみていい感じの兄弟だなと思えた」と手ごたえがあった様子。また、永瀬との共演については「今まで映画俳優として憧れてきた人でもあったので、芝居を交わせる喜びがありました。だからこそ最高のお芝居で応えようと思いました」と語った。


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 永瀬にとっても、兄弟役のオダギリと金子の存在が心強かったそう。「2人とも撮影現場に、心を持ってやってきてくれた。本当の弟ができたような気持ちにさせてくれた」と感謝の言葉を述べていた。

 オダギリも「いい感じの兄弟。自分のことながら3人のキャスティングがしっくりきてると思う」と述懐。金子も「本当にお兄ちゃんができた!と思って『甘えちゃえー』という思いで現場にいました。悲しいシーンも多いけれど、優しい時間がずっと流れてた穏やかな現場でした。貴重な経験ができたし、いただいたものが多い作品になりました」と充実した笑顔を見せた。


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 最後に、永瀬は「この映画には光がちゃんとある。いろいろな人の、いろいろな思いが詰まった映画です」と作品をPRした。オダギリは「いろいろなものを受け取り、感じることができる映画です」。金子は「素晴らしい作品に参加することができて光栄でした」とそれぞれに語った。


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 日比監督は「僕の人生の中でもっともエキサイトで、苦しく、内容の濃い時間。昨日のことのようにすべて覚えています。夢の3兄弟に感謝しかありません。大切な人と観てください」とメッセージを送った。


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(取材・文・写真:福住佐知子)



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