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『stay』オフィシャル・インタビュー

2021-04-15 更新

山科圭太


staystay
©東京藝術大学大学院映像研究科
配給:アルミード

山科圭太

 1985年11月2日生まれ。兵庫県出身。
 神戸芸術工科大学にて建築を学ぶ。その後、映画美学校フィクションコースに入学し、俳優、監督、スタッフとして映画制作に参加。
 主な映画出演作は、企画も担当した『あの日々の話』(19/玉田真也監督)、『僕の好きな女の子』(20/玉田真也監督)、『ゆかちゃんの愛した時代』(18/吐山ゆん監督)など。
 演劇では、玉田企画やマレビトの会などに多数出演。




 芳泉文化財団の映像研究助成を受けて制作され、第20回TAMA NEW WAVEで初上映され、2020年のSKIPシティDシネマ国際映画祭の短編部門では審査員の満場一致でグランプリを受賞した『stay』が、満を持しての劇場公開となる。この度、主演の山科圭太のオフィシャル・インタビューが到着した。


本作の脚本を読んだ時の感想を教えてください。

 非常に静かな時間が流れているというのが第一印象でした。ト書きやセリフが少なく、削ぎ落とされた中で、余白が多かったので、書かれていること以外の可能性をすごく感じつつも、完成したものを観るまでちょっと掴めていないところもあったので、読んだ時には気づかなかったものが、おそらく監督の中ではイメージとしてあったのだと思います。


ご自身の役を、どのように捉えましたか?

 結構自分と通じる部分も多くて、与えられた仕事で皆さんに「出て行って」ということは言いづらいことではあるんですけれど、それを映画内の矢島は控え目に言って、周りに振り回されていくというのはすごく共感しました。


石川瑠華さん、菟田高城さん、遠藤祐美さんとの共演はいかがでしたか?

 石川さんは非常に掴めない、何を考えているんだろうなというところがある、魅力的な女優さんだと思います。映画の中では、比較的コミュニケーションが取りやすいという役柄ではあったんですけれど、独特な空気感を漂わせている方で、どう反応するのかなという楽しみがあって、おもしろかったです。
 菟田さんは本当に力強い方で、繊細なんですけれど、ぐいぐい現場を引っ張っていくような、とても頼りになる方です。本当に役に近いような印象もあって、愛嬌のある感じで、一緒にいて落ち着く感じもありました。
 遠藤さんは凛とした佇まいの方で、独特なリズムを持っています。ご本人は役よりはほんわかした感じでした。非常に演技が上手で、映画の中で二人が話すシーンは切実に訴えかけてくるような感覚があって、印象的でした。


撮影時のエピソードはありますか?

 合宿だったので、みんなで風呂に入ったり、滞在者役の二人が劇中でやっているごきぶりポーカーをみんなで夜中に集まってやったりして、そういう時間でコミュニケーションもとれたことが撮影にも少なからず影響していると思います。


SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2020の短編部門で優秀作品賞を受賞したと聞いて、どう思われましたか?

 嬉しかったです。この映画って分かりやすい映画ではないので、こういう映画に反応してくれて、評価してくれる方がいるというのがとても感動的でした。


本作で特に注目してもらいたい部分はありますか?

 家と俳優を割と同等に撮っているというか、人物をどかんと真ん中に収めるということはなく、余白が非常にあります。基本的には俳優を観てしまうものだと思うんですけれど、画全体、画面を見つめるということをしていただくといいなと思います。


読者の方にメッセージをお願いします。

 今ある映画って、分かりやすいアクシデントや悲劇が起こったりするものが多い中で、この映画はそうではないので、「こういう映画もあって、静かでも見せられるものがある」っていうことを知ってほしいです。題材は普遍的な「人と人が暮らす」というシンプルなものですが、「昔からあるであろうテーマを現代に置き換えるとこうなる」というところで、派手なことは起こりませんが、「微妙なやりとりの中で生み出されるドラマもある」というところにも注目して観ていただきたいと思います。



(オフィシャル素材提供)




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