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舞台挨拶・イベント

トップページ > 舞台挨拶・イベント > 『風をつかまえた少年』

ユニセフ・シアター・シリーズ
『風をつかまえた少年』
特別試写会トークイベント

2019-07-13 更新

ウィリアム・カムクワンバ(原作者)、鈴木 福

風をつかまえた少年kaze 配給:ロングライド
8月2日(金) ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館 他全国順次公開
© 2018 BOY WHO LTD / BRITISH BROADCASTING CORPORATION / THE BRITISH FILM INSTITUTE / PARTICIPANT MEDIA, LLC

 世界23ヵ国で翻訳されたベストセラーを第86回アカデミー賞®作品賞受賞『それでも夜は明ける』主演のキウェテル・イジョフォーが初監督した『風をつかまえた少年』が、8月2日(金)からヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館他にて全国公開となる。


 2010年に日本でも出版、世界を驚かせ興奮させたノンフィクションの映画化。2001年、干ばつによる貧困で中学を退学になった14歳の少年が、当時人口の僅か2%しか電気を使うことが出来ない、アフリカの最貧国のひとつマラウイで、自分の頭脳と手だけを頼りに発電することに成功。家族と村の人々を救うだけでなく、自身も大学へ進学し、2013年にタイム誌の「世界を変える30人」に選ばれるという素晴らしい人生も手に入れた。世界を魅了した彼の物語は日本の中学の英語教科書「NEW CROWN3」にも取り上げられた。

 この度、14歳で電気と未来を手に入れたウィリアム・カムクワンバ氏(31歳)が来日、7月11日(木)にユニセフ・シアター・シリーズとして上映する本作の試写会に登壇し、ユニセフのハンド・イン・ハンド募金キャンペーンにも協力・賛同する俳優・鈴木 福とトークイベントを行った。福さんは現在中学3年生、6月7日に15歳の誕生日を迎えたばかり。自身と同世代である主人公の少年の姿をどう感じたのか、そして、自身の将来をどう考えているのか。人生の先輩でもあるこの奇跡の物語の本人ウィリアム氏と対面し語り合った。


 映画の上映が終わり感動に包まれた会場で、大きな拍手に迎えられながら、原作者であり、この奇跡の実話の張本人であるウィリアム・カムクワンバ氏と、本日の特別ゲストである鈴木 福が登場。まずウィリアム氏から「皆様に映画をご覧いただき大変光栄です。今回の来日では多くの方にお会いしたり、美味しい日本食を楽しんだりしています。ありがとうございます」と観客へ向け挨拶が。そして、福は挨拶とともに、本作の感想について「この映画を観て、こうやって飢餓に苦しみながらも、自分の地元マラウイを守りたいという気持ちから、みんなが協力すれば何でもできるんだなと驚いています。本当に感動して、とても尊敬しています」と、今回の対面の喜びを伝えた。


kaze

 映画の主人公である当時のウィリアム氏が風力発電を作った14歳という年齢と同世代で、6月7日に15歳の誕生日を迎えたばかりの福。本作を観て「日本にいると、学校に当たり前に行けて、たまに“学校イヤだなぁ”という時が僕もあります。そういう中で、世界には同い年ぐらいの子で“学校に行きたい”“学びたい”という人がいて、こうやって世界を変えられる。僕とほぼ変わらない年齢の人でもそういうことができるんだと思うと、本当にすごいなと、カッコイイなと思います」と感銘を受けたそう。「同い年くらいの友だちも、夢がまだ決まっていないという子は多い。だから、僕らの世代にこそぜひ観て欲しい。これが実話ってことが本当に信じられないくらいに、驚きと感動がある映画です」。

 また、福からウィリアム氏に「この映画を観ると僕が体験したことのない辛さがあると思うし、想像することすら難しいとは思うのですが、今まで生きてきた中で一番大変だったことはなんですか?」という質問が。ウィリアム氏は「まさに映画で描かれている時期。でも、誰かがやってきて、問題を解決してくれるのを待つのではなく、自分の問題に対して自らが長期的な解決法を見つけたいという気持ちで、希望を持つことができたんです」と答えた。また、「映画を作ることは、ある意味、自分の辛い過去を再び生き直さなければいけないという側面がありました。でも同時に、友達と過ごしたあの時間や、風車を作っていたワクワクする気持ちを思い出したりもしました」と、映画が製作されたことについての素直な気持ちも語った。


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 さらに、風車を作るにあたって一番困難だったことについては「材料探し。お金がなかったし、手にした本にも何が必要な材料が描かれていなかったので、イマジネーションを駆使して見つけられるガラクタや廃品を集めてきた。さらに、多くの人が「あいつは頭が変になったんじゃないか」と言ったり、僕のやろうとしていることが全く理解できなかったりという中で作っていった。そもそも、現地のチェワ語には“風車”という言葉が存在していなかったんです。誰も風車を見たことがなかったし」と、映画が伝えているよりさらに困難な驚くべき当時の環境について明かすと、福は、「最後に風車が完成して、みんなで喜ぶシーンは、心からホッとしました。胸がぎゅっと締めつけられるようなシーンもたくさんある中で、観ている方も嬉しくなるようなシーンで、一番印象に残っています。みんなが出来ないって決めつけていた中で達成した喜びというのは、すごく胸に残るものがありました」とそれに対する自身の感動を伝えた。

 映画の物語の後、アメリカに留学し未来を切り開いたウィリアム氏は、現在マラウイで、若い才能を支援するイノベーションセンターの立ち上げに取り組んでいるそう。「自分たちの夢やプロジェクトを形にしてもらえるような場所を作りたいという思いがあリます。若い才能ある人々に、それを発揮する場所を提供したい。自分自身も風車を作っている時に誰かに相談できたらなと思っていたんです。アメリカに進学して、世界中の方々と触れ合えて得ることができた知識を、いろいろな課題の解決に生かしていきたいと思います」と将来のビジョンを語った。

 一方で、福も常に新しいことにチャレンジしているとのことで、自身の目下のチャレンジについて「僕の家族や親戚と一緒に琴や尺八などの和楽器、けん玉をやっていたりするので、ウィリアムさんがマラウイを大事にしているように、僕は日本文化を大事にして頑張っていきたいです」とキラキラと瞳を輝かせながらで語った。

 最後に福からの「やってみることの素晴らしさ、諦めないことの大切さを感じさせてくれる、また、日本で今暮らせている自分が幸せものだなと気づかせてくれる映画。ぜひたくさんの人に観て欲しいです!」という熱いメッセージで締めくくられ、本イベントは大盛況のもとに幕を閉じた。


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(オフィシャル素材提供)



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