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舞台挨拶・イベント

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『ブルーアワーにぶっ飛ばす』
トークイベント

2019-09-29 更新

夏帆、箱田優子監督、大九明子監督、トミヤマユキコ(ライター/東北芸術工科大学講師)

ブルーアワーにぶっ飛ばすblue-hour 配給:ビターズ・エンド
10月11日(土)より テアトル新宿、ユーロスペースほか全国 公開!
© 2019「ブルーアワーにぶっ飛ばす」製作委員会

 9月26日(木)、19時より都内にて『ブルーアワーにぶっ飛ばす』女性限定試写会が開催された。上映後には、本作の箱田優子監督に加え、『勝手にふるえてろ』『美人が婚活してみたら』で女子の心をがっつり掴んだ大九明子監督、ライターで東北芸術工科大学講師のトミヤマユキコ、さらに主演の夏帆がサプライズで登場。会場は歓声であふれかえり、さながら女子会のノリで大いに盛り上がった。


 箱田監督と夏帆、シム・ウンギョン3人のために衣装スタッフの立花文乃が作ってくれたという、お揃いの「ブルーアワーにぶっ飛ばす」オリジナルTシャツで登場した箱田監督と夏帆。まずは夏帆が、今回初めて上映後の観客の前に立つということで、「思いのほか緊張しますね(笑)。楽しんでいただけたらいいなと思いつつ……」と若干緊張した様子であいさつを始めると、場内からは一斉にあたたかな拍手がおくられた。


blue-hour

 本作への出演について、「ぜひやりたいと思って臨んだ撮影でした。私が演じた砂田という役は、どこか自分とリンクする部分が多く、流れていく時間についての葛藤とか、今の自分と重なるところがあった。砂田という役と向き合うというより、自分自身と向き合う時間だったように思います。10代からずっとこの仕事を続けてきたけれど、20代の私自身で勝負できる、自分をぶつけられる役でした。出会うべくして出会った役です」と意気込みを語った。

 目の前で熱く語る夏帆のコメントに、思わず箱田監督も「上手ですね。言うこと無いです」と感無量の様子。そんな箱田監督は、初監督作である本作で、夏帆を主演に迎えた理由を、「いまでしか撮れないものはなんなのか、今しか撮れないものを映したい。一日に2回おとずれるブルーアワーという夜明けなのか夕暮れなのか曖昧な時間のなかでどう生きるかを描きたかった。実際に演じてもらう俳優さんにも、劇中でリアルに揺さぶられてほしいと思っていたので、夏帆さんに演じてもらってよかったです」と述べた。


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 トークゲストとして登場した大九明子監督は、トークの前に観客と一緒に上映を鑑賞。「タイトルとかビジュアルとか、観る前からお客さんの心をわしづかみにかかるような貪欲さを感じていました。女性ならではのストレスとか共感してもらおうといったストーリーラインとしての映画の楽しみ方もありますが、この映画にダイナミックなものを感じたんです。主人公の人物としてのダイナミズムもあるし、映像の迫力もあるし、いろいろな楽しみかたがあるなと思いました」と本作の魅力を語った。


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 また、大人少女マンガの研究家でもあり、働く女性の労働観についての研究もしているトミヤマは、本作を「初監督作にして労働系女子のフィクションの最前線に躍り出た」と絶賛。「最近の労働女子を描く物語は、王子様に救われるのではなく、王子様ではない誰か、友だちであったり年齢性別に関係ないコミュニティだったりに救われる女子の話が増えてきている。今作にも、王子様はいないが、いないからこそガチで救いにかかっているのが分かる。これぞ労働系女子が求めている話だったんじゃないか」と分析し、箱田監督、夏帆、大九監督をうならせた。


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 また、「大人のイヤイヤ期」という本作の裏テーマをもとに、上映前に観客にアンケートを実施し仕事や恋愛の悩みを募集。集まった大人女子からの悩みを登壇者が答えることに。

 「父親と似たタイプのひととばかり付き合ってしまう」というお悩みに、トミヤマは、「自分から好きになる人はいつも同じようなタイプ。そして同じ失敗をしてしまう。映画のなかで『私のことを好きって人、あんまり好きじゃない』という夏帆さんのセリフがありますが、私の場合は逆に、向こう(相手)から来てもらった場合には、自分の欲が無いからなのか、かえってうまくいくような気がします。別のタイプにいってみたら発見があるかも」とアドバイス。

 また「休日や休憩時間は独りで過ごしたい」という、悩みではなく「願望」ともとれるアンケートを受けて、「分かります、分かります」と答えた夏帆は、「映画の撮影現場では、基本的には待合室にいないで、現場をふらふら歩き回ってます。自分の落ち着く場所を見つけるのが得意なんです」。箱田監督は、「夏帆さんは、現場で私と横並びになって、並走してくれた感じでした。野良猫同士(笑)。独りになりたいのと、寂しいのが同居してるような」と笑った。

 そのほか、「夫が家事を率先してやってくれればやってくれるほど、自分が出来ないみたいで、しんどい」という悩みには、「ああすごく分かります。朝起きてお米の匂いをかいで軽く死にたくなったり」(箱田監督)、「私だったら『ラッキー』と思うけど(笑)」(夏帆)、「前提として、女がやらなきゃと思ってると思うんですよ、女性がやって当たり前ってわけじゃないんだから」(大九)、などさまざまな意見がとびだし、最後は「一回飲みにいかないと分からないですね」というトミヤマの言葉に全員笑いながら同意し、女子会はおおいに盛り上がった。

 トークショーも終わりに差し掛かり、それぞれが本作の公開に向けての思いを語った。

 トミヤマ「ここにいるのは大人女子ばかり。ダサいこともいっぱいあるけど、つらくて苦しくても、ダサいままでも、輝きがあると信じて生きていきましょう」大九監督「よく“女性監督としてどうですか?”といった質問がくるけど、私は女性を意識しながら生きてないし、男性監督と比べられても、女性としての人生しか送ってないから分からない。私は、私の人生を生きてきたなかで映画を作っている。“女のひと”として凝り固まるよりは、たまたま女であることの面白さを謳歌すればよいのではないかと思った夜でした。映画の公開が成功することを祈ってます」。

 箱田「今日の試写会のトーク、男性には聞かせられないみたいなのも面白かったです。ぜひともSNSなどでも紹介してほしい」。

 夏帆「10/11の公開にむけて絶賛宣伝中ですが、個人的にも思い入れあり、とても大切な作品です。好き嫌いはあると思うけど、少しでも心に残るものがあればぜひ家族や友人の方にこの映画の話をしていただけたらうれしいです」。

 公開直前の女性限定試写会は、大盛況で幕を閉じた。



(オフィシャル素材提供)



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