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『COMPLICITY/コンプリシティ』
第69回ベルリン国際映画祭 公式上映Q&A

2019-02-14 更新

ルー・ユーライ、近浦 啓監督

COMPLICITY/コンプリシティcomplicity 配給:クロックワークス

© 2018 CREATPS/MYSTIGRI PICTURES

 世界三大映画祭の一つ、ベルリン国際映画祭で、近浦 啓監督の初長編作『COMPLICITY/コンプリシティ』が、現地時間の2月11日・12日に上映された。中国の映画界で活躍を続ける俳優ルー・ユーライと日本が誇る名優・藤 竜也を主演に迎え、日本=中国の国際共同製作で製作された本作は、トロント国際映画祭、釜山国際映画祭と世界が注目する映画祭へ次々と選出され、国内プレミアとなった東京フィルメックスでは観客賞を受賞。今回の第69回ベルリン国際映画祭が、待望のヨーロッパプレミアとなり、上映チケット発売翌日には全ての回のチケットが完売となるなど、国際的にも高い注目を集めた。

 11日のプレミア上映では、エンドロールに入るとすぐに、満場の拍手がおこり、その喝采に迎えられる形で近浦 啓監督と主演のルー・ユーライが登壇。観客を交えたQ&Aでは客席から質問が相次ぎ、映画への満足度が高いことが伺える、熱いトークが繰り広げられた。


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第69回ベルリン国際映画祭 Q&A


日本と中国とで、言語や文化の違いがあったと思いますが、コミュニケーション上の問題はありましたか?

近浦 啓監督: この作品は、私とある中国人の友人との友情関係からスタートをしました。彼はパリに住んでいて、僕が尊敬している映画監督の友人です。僕たちの友情によって、自分自身が中国の文化と中国の人々にとても興味が湧き、この映画の主役にも中国人を据えることを決めたんです。
 2016年に北京でこの映画の主役のオーディションを行い、最後の俳優がルー・ユーライでした。彼を一目見たときに、この作品の主役は彼でしかないと思ったんです。そしてその日に、彼に長編映画を撮る前に短編映画をまずは作ろうを話しました。
 2016年5月、彼を東京に呼んで、この映画と同じ役だけれども違う時間軸の設定で、この長編映画の前日譚となる短編映画を撮影しました。その短編映画(『SIGNATURE』)は、2017年のロカルノ国際映画祭などに選出されています。この長編映画の撮影を始める1年以上前に、お互いを知り合うために短編映画を製作したのです。なので、この作品の撮影をスタートする時には、お互いを十分に知ることができていました。


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二人はどのようにコミュニケーションしていますか?

近浦 啓監督: 僕は中国語を話せないし、彼も日本語を話しません。基本的にコミュニケーションはお互いの拙い英語です(笑)。


日本語のセリフは問題なかったですか?

ルー・ユーライ: 『COMPLICITY』の1年前に撮影した短編映画『SIGNATURE』のあるシーンで、日本語でページがいっぱいになる程に覚えないといけないセリフがあったのです。日本に来る飛行機の中でもずっと暗記をしていました。でもそのおかげで、日本語の発音に慣れることができ、自分で日本語の練習をすることができるようになりました。


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蕎麦をメインキャラクターの一つにに据えていますが、蕎麦は日本と中国の伝統的なものなのでしょうか? それとも日本だけのものなのでしょうか。また、なぜ蕎麦を中心のモチーフにしたのですか?

近浦 啓監督: 中国のあるシーンで、主役の彼とその母親、お祖母さんが一緒に麺を食べているシーンがありますが、それはラーメンではなくて、蕎麦なんです。蕎麦はとてもシンプルな食べ物ですが、同時にとても高い技術が必要とされ、元来は中国が発祥であるということもあり、中国と日本を繋げるためには、とても良いモチーフになると思いました。同時に、蕎麦は日本の伝統食でもあり、とてもシンプルだけれど技術は奥が深く、とても「日本的な」食べ物でもあると思っています。


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蕎麦作りはとても大変でしたですか?

ルー・ユーライ: 実は基本的な技術を身につけるのはさほど難しくなかったです。なぜなら、地元のそば職人の先生が常について指導をしてくれて、とてもとても丁寧にどのように作るのかを教えてくれました。ただ一方で、ほとんどの工程で非常に高い専門技術が必要とされるので、蕎麦作りはとても奥が深いと思います。


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(オフィシャル素材提供)



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