インタビュー・記者会見等、映画の“いま”をリポート!

Cinema Factory

Cinema Flash




広告募集中

このサイトをご覧になるには、Windows Media Playerが必要です。
Windows Madia Player ダウンロード
Windows Media Playerをダウンロードする

舞台挨拶・イベント

トップページ > 舞台挨拶・イベント > 『アマンダと僕』

『アマンダと僕』来日イベント

2019-06-25 更新

ヴァンサン・ラコスト、ミカエル・アース監督

アマンダと僕amanda 配給:ビターズ・エンド
シネスイッチ銀座、YEBISU GARDEN CINEMAほか絶賛上映中!
© 2018 NORD-OUEST FILMS – ARTE FRANCE CINÉMA

 美しいパリの街を舞台に、悲しみから乗り越えようとする青年と少女の心の機微を優しく紡いだ『アマンダと僕』が、シネスイッチ銀座、YEBISU GARDEN CINEMAほか大ヒット上映中! 第31回東京国際映画祭では審査員満場一致で東京グランプリ&最優秀脚本賞のW受賞に輝き、観客を大きな感動に包み込んだ本作。この度、待望の日本劇場公開とフランス映画祭への出品に合わせて、ミカエル・アース監督と主演のヴァンサン・ラコストが来日した。

 ミカエル・アース監督は7月にも監督作『サマーフィーリング』の公開が控え、主演のヴァンサン・ラコストは主演作が立て続けに公開されている、フランスでいま最も旬な人気若手俳優。そんなヴァンサン・ラコストは実は大の日本好き! プライベートで訪れたことがあり、今回が2回目の来日。ミカエル・アース監督は東京国際映画祭以来の凱旋来日となった。フランス映画祭のQ&Aやサイン会、初日舞台挨拶など、日本のファンとの交流を楽しんだ。


日本での劇場公開について

 公開初日にして、すでに3、4回目の鑑賞となるファンが続出! また、SNSには、「オールタイムベスト作品!」「観終わったあとでも思い出してまた涙が溢れてくる」「最高のラストに胸が熱くなった」など、熱い想いをのせた感想が続々とあがっている。

 日本劇場公開について、監督は「世界の片隅である自分の部屋のなかで映画のシナリオを書いていたのが、こんなにも遠い場所で劇場公開となり、さらに観客の方々に映画を理解してもらえることが、心から嬉しく思っています。皆さんは毎回温かい歓迎をしてくれて、日本にくると心地よさを感じます」と、日本のファンへの感謝を述べた。

 続けて、ヴァンサンは、「私が特に好きな国・日本で、この映画が公開されることがとても嬉しい。去年の夏に東京、京都、箱根を訪問したのですが、特にお気に入りなのは、東京。フランスにはない、驚くようなものがたくさんあります。それに、みんなが優しくて丁寧だし、とても綺麗な街ですよね。パリの街は汚いし、日本人のように礼儀正しくないからね(笑)」とジョークを言い、会場の笑いを誘った。


amanda

ヴァンサン・ラコストを主演に起用した理由について

 その理由について、監督は「この映画が持つ暴力性や喪失の哀しみを観客が受け入れられるものとして描くには、“優美さ”や“光”“軽やかさ”のすべてを持っている俳優が必要でした。ヴァンサンとアマンダ役のイゾール・ミュルトリエは、この映画に希望を与えてくれると期待していました。あともう一つの理由は、ヴァンサン・ラコストが一番安かったから(笑)」と語り、ヴァンサンは大ウケ。

 脚本を読んだ際の感想を問われると、「監督の過去作『サマーフィーリング』もとても好きな映画だったので、脚本を読み、すぐに参加を決めました。愛する人を失う哀しみ、その人の思い出と共に生き続けることにとても繊細にアプローチしているところが素晴らしい」と語り、仲睦まじい様子に、監督とヴァンサンの強い信頼関係が見て取れた。


アマンダ役イゾール・ミュルトリエのキャスティングについて

 その理由について、監督は「キャスティングにあたり、数百人の子どもたちに会いました。すでにプロの女優として仕事をしている子どもたちもいましたが、ただテキストを読んでいるだけに感じられました。そこで、街中でオーディションのチラシを配る試みをしたんです。イゾールは体育教室からできてたところを見つけました。彼女には小さな女の子の瑞々しさがあり、そして、自分の考えをきちんと言葉にすることができる。アマンダは片親で育つ役柄ですが、そうした子どもたちは早くから大人の会話に入ることもあり、他の子どもより成熟しているところがある。そういった部分がイゾールにもありました」と語った。

 イゾールとの共演について、ヴァンサンは「私の役柄同様に、はじめは彼女とどう接したら良いかわかりませんでした。これまで小さな子どもと演技したことがないし、実生活でも子どもが周りにいません。イゾールとは、最初は不器用ながらも、徐々に信頼関係を築いていったのが、劇中のダヴィッドとアマンダとも重なりました」と語った。


同じ世代の主人公ダヴィットに共感した部分について

 同じ世代の役柄である主人公ダヴィッドついて、「彼には共感できるところがたくさんありました。普通の日常を送っていたのに、ある日突然、人生が一変してしまう。本作は、僕たちが生きている世界の話でもあります。それは、道や公園で突如撃たれることがありえる僕たちの世界です。ですが本作はテロの描き方がとても興味深いと思いました。ただテロに対して政治的や社会的な批判をするのではなく、大切な人が亡くなった喪失を通して、もっと深いものが描けている。私はこれまでにコメディ映画に出演することが多く、感情が迸る演技は初めてでとても不安でしたが、監督が演技に集中できる環境を作ってくれました」と語った。


“喪失と再生”をテーマに映画を撮り続ける理由について

 その理由について、監督は、「私はいつも場所からインスピレーションを受けて映画を撮っています。本作では、いつ何が起こるか分からない脆い状況、そういった今のパリを描こうと思いました。そして、“大切な人を亡くした喪失”は前作から続くテーマですが、これは自然に湧いてくるもので、実は私自身、なぜこのテーマを描き続けるのか分かっていません。ですが、だからこそ、このテーマを描き続けるのかもしれません。本作は、前作よりもさらに、感情を真正面から描いています。私は抑制の効いた映画作りを目指しながらも、可能な限り人々に響くものにしたいという思いがありました」と語った。


amanda

 フランス映画祭公式上映後のサイン会では、ヴァンサン・ラコストとミカエル・アース監督に長蛇の列ができ、映画祭一番の大盛り上がりとなった。一人ひとり笑顔で丁寧にファンサービスをする様子に、ヴァンサンと監督と人柄がにじみ出ていた。


amanda


(オフィシャル素材提供)



関連記事
第31回東京国際映画祭 東京グランプリ&最優秀脚本賞W受賞!

Page Top