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舞台挨拶・イベント

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『生きてるだけで、愛。』
第26回レインダンス映画祭ワールドプレミア

2018-10-07 更新

趣里、関根光才監督

生きてるだけで、愛。ikiai 配給:クロックワークス
11月9日(金) 新宿ピカデリーほか全国ロードショー
© 2018『生きてるだけで、愛。』製作委員会

 「異類婚姻譚」で第154回芥川賞を受賞、小説家・劇作家・演出家としてマルチに活躍する本谷有希子氏の、芥川賞・三島賞候補作となった傑作小説待望の映画化『生きてるだけで、愛。』。

 そんな本作が、今年で26回目を迎え、9月26日(水曜・現地時間)に開催されたレインダンス国際映画祭のコンペティション部門に正式出品され、10月2日(火曜・現地時間)に主演の趣里と関根光才監督がレッド―カーペットに登場し、その後行われたワールドプレミアとなる公式上映に観客と共に映画を鑑賞、上映後に行われたQ&A(質疑応答)に参加した。本作をコンペティション部門に選出した「レインダンス映画祭プログラミング・チーム」は、「素晴らしい演出とキャストの力強い存在感、そして斬新な映像美が見事に融合した圧巻の作品だ」と評し、本作を激賞している。


 映画祭のメイン会場となるVue Cinema London(ビュー・シネマ・ロンドン)のレッドカーペットに登場した趣里、関根光才監督。趣里は「TOGA」の紫のワンピースと「JiL Sander」の靴を着用し、颯爽とレットカーペットを歩いた。


ikiai

 レッドカーペット直後の上映前に登壇した関根監督は「皆さん、こんばんは。本日はお越しいただきまして、ありがとうございます。映画が上映されることを大変光栄に思っています。皆さんがこの映画を楽しんで観てくれることに期待しています」と満席となった会場内の観客に英語で挨拶し、コンペ部門に招待してくれた映画祭に感謝の意を述べた。

 その後、趣里と関根監督は満員の観客と一緒に映画を鑑賞。映画が終了すると、会場は大きな拍手と歓声に包まれた。観客席から舞台上に登壇した趣里は、鑑賞した観客から、素晴らしい演技を見せた本作でどのような役作りをしたかを尋ねられると、「まずは脚本の中の“寧子”のことを考え、理解することに努めました。私は過去に、怪我でバレエをやめなくてはいけなくなり、希望を失った中で生きなくてはならない葛藤を経験しました。寧子を通して、そのときの自分を思い出しました」と答え、自分と寧子にある共通点を踏まえながら、役柄を理解していったことを明かした。

 続けて、観客から、“うつ病”という社会的な問題にも焦点を当てたかったのかと問われると、監督は「この問題は僕たちがどこに住んでようと共通する普遍的な問題だと思います。人間社会の中で生きていればこういった問題には必ず直面します。うつ病の方々は助けを求めることも難しいですし、話題にもできないかもしれません。この作品を創ったことによって、この問題が解決できるとは思っていないですが、苦しんでいる方々を元気づけたいという思いはありました」と話すと、趣里は「私は、そう鬱という症状を持つ寧子を演じていて、何が正しくて、何が間違っているのか、分からない部分がありましたが、日本はどちらかと言うと、“こうあるべきだ”と決めつけられてしまう風潮があるかもしれません」と続き、観客の質問に丁寧に答えていた。


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 映画を鑑賞した観客の感想は「本当に感動しました。趣里さんの演技が力強く、ゆさぶられました」「昨今こんな演技できる女優さんいないと思います!」「普段扱われていないテーマに切り込んでおり、趣里さんの演技も含め、本当に素晴らしかった。映像美がとにかく圧巻の美しさ。ぜひもっとヨーロッパの観客に観てほしいと思う」と多くの称賛の声があり、登壇した2人は、観客の反応に手ごたえを感じた様子だった。


「レインダンス映画祭プログラミング・チーム」からのコメント

 素晴らしい演出とキャストの力強い存在感、そして斬新な映像美が見事に融合した圧巻の作品だ。


★ 上映後のQ&A(質疑応答)

この作品は本谷有希子氏による日本の小説が原作となっていますが、何故この作品を映画化しようと思ったのですか?

関根光才監督: 本谷さんが書かれる文体はとてもユニークでエモーショナルです。この小説は彼女がまだ20代だった時に書かれている作品で、彼女だけでなく、多くの若者たちが抱える社会への怒りや鬱積が内包されていて、初めて読んだ時に衝撃を受け、それを忘れることができないでいました。


趣里さんの演技はとても力強く、鬼気迫る感じでしたが、寧子という躁うつ病を抱える主人公を演じるのは決して簡単ではなかったと思います。どのようにして役作りをしていったのですか?

趣里: 鬱の方がこうだとか、ということを考えずに、まずは脚本の中の「寧子」のことを考え、理解することに努めました。
 私は、過去に、怪我でバレエをやめなくてはいけなくなり、希望を失った中で生きなくてはならない葛藤を経験しました。寧子を通して、そのときの自分を思い出しました。
 私は映画を観て「辛いのは自分だけじゃない」と感じ、心が救われた経験があります。そこで、自分も寧子を演じることで、少しでも観ていただいた方の心に何かを残せるのではないか、共感していただける部分があるのではないかと思い、「この役は絶対に自分が演じたい」と思いました。


映画を観て言葉を失っています。魂に触れられたようで、凄まじい作品でした。加えて、現代社会が抱えるリアルな問題を描いた作品をここレインダンスに持ってきてくれて、本当に感謝しています。うつ病自体が日本ではあまり取り上げられることのない問題だと思いますが、この映画がここイギリスで評価を受けることによって、もっとそういった問題に目を向けるようにしなければならない、という思いを持って、作品作りをしたのでしょうか?

関根光才監督: はい、そうですね。この問題は僕たちがどこに住んでようと共通する普遍的な問題だと思います。人間社会の中で生きていればこういった問題には必ず直面します。うつ病の方々は助けを求めることも難しいですし、話題にもできないかもしれません。この作品を創ったことによって、この問題が解決できるとは思っていないですが、苦しんでいる方々を元気づけたいという思いはありました。

趣里: 私は、そう鬱という症状を持つ寧子を演じていて、何が正しくて、何が間違っているのか、分からない部分がありましたが、日本はどちらかと言うと、「こうあるべきだ」と決めつけられてしまう、風潮があるかもしれません。


感情を抑えているキャラクターが登場してきますが、それは日本映画の特徴なのでしょうか?

関根光才監督: たしかに、多くの日本映画では、感情表現が小さく、押さえつけられているように見えるかもしれません。それは、もしかしたら日本の文化や社会がそうであるからかもしれません。日本人の多くはあまり直接的に感情を表に出さないんです。そういったことを踏まえると、この映画はユニークな作品と言えるかもしれません。主人公の寧子は感情をすごく露わにしますからね。


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★ 「上映イベント」全てが終了した後

趣里: 上映後のQ&Aのお客さんの顔を見て、同じ時間を共有できたのが嬉しかったです。質問も社会的な内容もありましたが、人間の感情というのは一緒なのかなと感じました。観た方のいろいろな感想をもっと聞きたかったです。

関根光才監督: 英語の字幕付きで映画を観たので、観客の反応しかり、日本で観るのと印象が随分違いました。映画を観ながら、こちらの方々に分かるのかなっと思っていたんですけど、観終わった後にお客さんが席から離れずに、僕たちの話を熱心に聞いてくれたので、モチベーションが高いと感じました。皆さんが完全に理解している感じでした。この映画は日本の、ある社会の問題を描いている作品だったのにも関わらず、自分事として感じてくれたことがすごく嬉しかったです。


<レインダンス映画祭について>

 イギリスの首都ロンドンで開催される国際映画祭。1993年よりインディペンデント映画の振興を目的に始まり、世界で最も有名なインディペンデント映画祭の一つに数えられている。特に新人監督や若手製作者の発掘に力を入れており、2017年は22,000人を動員、世界の120ヵ国、200作品が上映された。今年の名誉監督賞はテリー・ギリアム氏に授与されることがすでに決まっている。

 【開催期間】2018年9月26日~10月7日(現地時間)
 【開催回数】26回



(オフィシャル素材提供)



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