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『獣道』日本外国特派員協会記者会見

2017-07-06 更新

伊藤沙莉、須賀健太、内田英治監督、アダム・トレル プロデューサー

獣道kemono-michi

配給:スタイルジャム
7月15日(土) シネマート新宿ほか全国公開
© third window films

 宗教団体、ネグレクト、少年犯罪、性産業など大人に翻弄される地方都市の若者たちを、実話をベースに描いた青春ブラックコメディ『獣道』の日本外国特派員協会記者会会見が7/3(月)に行われ、W主演の伊藤沙莉と須賀健太らが登壇した。

 日本のとある地方都市を生きる若者たちを描いたドメスティックな内容ながらも、今年5月にイタリアで開催された「ウディネ・ファーイースト映画祭」でのワールドプレミアをはじめ、新しく6月30日より開催の「ニューヨーク・アジア映画祭」、北米最大のファンタ系映画祭と言われる「ファンタジア国際映画祭」への出品が決定。また、主演の伊藤沙莉、須賀健太の「ヤンキー世界」への役作りの秘話などを披露した。


『獣道』では、ダークで大人な役に挑戦していますが、どうしてこの役を引き受けようと思いましたか? また、監督・プロデューサーに実際に会って心配はありませんでしたか?

伊藤沙莉: こんにちは、伊藤沙莉です。Hello everyone!I'm Sairi Ito. Thank you so much for coming here today.I'm very happy to be here! よろしくお願いします。
 えっと、英語が言えたことでパッとなっちゃって、質問忘れちゃいました(笑)。(改めて質問を聞いて)台本を初めて頂いた時にシンプルに面白いなと、素敵な作品だなと思ったのが一番です。あとは、愛衣という役に対してちゃんと愛情を注いであげたいなと思いました。リアリティ溢れるこの作品の台本が私はすごく好きだったので、すぐにお受けしたいですと言わせていただきました。内田監督ともアダム(プロデューサー)とも一度お会いしたことがあったので、不安にはなりませんでした。アダムの陽気な感じに逆に救われて楽しく撮影できました。

須賀健太: 隣の席に座る伊藤沙莉に英語を教えてもらい……)Hello, everyone!(会場笑)Thank you so much for coming here today. My name is Kenta Suga. I'm very happy to be here!Thank you!Thank you!(会場拍手)すみません、僕、英語を全く勉強してこなかったので、今、伊藤さんに即席で教えていただいたんですけど(笑)。
kemono-michi 僕はまず台本が面白かったというのと、内田監督の『下衆の愛』という作品をちょうど同じタイミングで観る機会があって、そこでもうこの監督と一緒に作品作りがしたいなとすごく思って、僕もすぐにお返事をさせてもらいました。あとは、僕自身、亮太という(不良少年の)雰囲気のキャラクターを演じる機会が今まであまりなかったので、僕自身の成長になるなと思いましたし、新しいイメージを僕の中でも見つけられるじゃないかなと思い、この作品に出ようと決意しました。
 (監督とプロデューサーのイメージは)思ったより普通の人で安心しました(笑)。監督の映画を最初観た時、どんな人が監督をしているんだろうと思っていたんですけど、実際お会いしてみるとすごくチャーミングで素敵な監督だったので、安心して撮影できました。


この作品は実話に基づいてるそうですが、撮影もリアルなヤンキーに登場してもらってリアルさを出したとか。どこまでが本当にリアルだったのでしょうか?

アダム・トレル: 地元のヤンキーの人達には、本当に登場してもらいました。山梨での撮影だったのですが、(ヤンキーの)バイクを調達するのがとても難しくて、実際にバイクを持っているヤンキーの人たちにそのまま(映画に)登場してもらいました。映画のパンフレットの写真の中にも、本物のヤンキーさんが登場しています。


脚本はどこまでがリアルだったのでしょうか?

内田英治監督: 実際ストーリーの原案者もこの作品に出演しているのですが、僕がリアルに聞いた話を脚本化しました。本当のストーリーはもっと実はハードで、日本の地方社会を体現している話だったのですがあまりにもハードすぎて、脚本の段階でシンプルにして脚本にしました。なので、これは本当に本当のお話です。
 ヤンキーさんは、本当の暴走族のお兄さんたちにも出てもらいました。僕もびっくりしたんですけど、撮影中に警察からプロデューサー宛に「撮影を中止しろ」という電話があって。そういう表現自体をやってほしくないと。勿論実際の撮影は、オートバイをトラックで運んだり、法律を守って撮影をしました。なので、映画を観ていると、本物のヤンキーと役者の違いがみていて面白いと思いますし、そういった(見方の)楽しみ方も出来ると思います。


主演のお二人は、優しい顔や怒り狂うシーンなどいろいろな表情を見せてくれましたが、どちらの役作りが大変でしたか?

須賀健太: 亮太というキャラクターは、感情を常に表に出している人ではないと思って僕は演じていたので、表情をそこまで作らず、嬉しいとか悲しいとかが100%観ている方に伝わらないことを逆に心がけて演じていました。なので、どこまで感情を出すかというのが難しかったですね。あとは、台本の流れに沿って、徐々に亮太の感情的な部分が見えていくことを計算しながら演じていましたが、そのバランスも難しかったです。

伊藤沙莉: どちらかというと愛衣もそこまで感情的になるシーンは少なかったのですが、暗いシリアスなシーンよりも、楽しいというか、満足している表情、笑顔の中に孤独を感じさせるような、二つの感情をもっているというのを表現するほうが難しかったです。


若い頃から映画の仕事をしているので、あまり不良の世界には触れることがなかったと思いますが、どういう風にこの世界を想像して撮影に臨みましたか? 映画界でもそういう面は見たことがありますか?

伊藤沙莉: 結構、生まれたところが……(笑)。台本を読んですごくリアリティを感じたというのが、『獣道』に出てくるヤンキーほどではないのですが、先輩とかで「どこ校?」とか「何とか先輩知っている?」とかいう人が(自分の周りにも)いて(笑)。そういうのはすごく見慣れていた光景だったので、そうそう、こういう人いるいる!って感じでした。

須賀健太: 僕も生まれが治安的にはあまり……そうですね(笑)っていうところで生まれたので、やっぱりいるんですよ、クラスに、同じような、雰囲気をもった人たちが。教室では存在感がある、そういう人たちを集めたのが亮太なのかなって思います。何かに縛られたりそういうのは嫌いで、馴染もうと思えば馴染める存在なのに、敢えてあういう立ち位置を亮太は自分で選んでいるな、というのを僕は台本を読んで感じたので。そういう今まで見てきた僕の中での「ちょっと尖った人たち」を足しました(笑)。


この映画で、世界のどんな人を救いたいですか?

内田英治監督: すごい難しい質問ですね(笑)。でも、愛衣はいろいろな人を救っていたと思います。外国の映画祭とかで上映されると、宗教の描写があるので、絶対に「神様信じますか?」とか結構聞かれるのですが、僕自身は実は無宗教で、でも信仰は絶対必要だと思っていて。信仰というのはキリスト教とか、仏教とかいわゆる宗教だけではなく、愛衣がやっていたような秋葉原のアイドルを信仰しているおじさんたちも、あれも彼らには必要だと思うんです。愛衣のようなアイドルを信仰するのも宗教と全く一緒で、彼らはアイドルに救われているので、それはありだと思うんです。
 僕の生まれ故郷のブラジルでもそうです。カトリックなのでみんなすごく信仰深い国なんですけど、その信仰深い国から僕は10歳で無宗教の日本に来たので。そういう(一つの宗教に拘らないというバックグラウンド)のは、愛衣というキャラクターに転移しているのかもしれません。


 6月30日より開催の「ニューヨーク・アジア映画祭」、モントリオールで7月24日から開催される北米最大のファンタ系映画祭と言われる「ファンタジア国際映画祭」への出品も新たに決定。フォトセッションでは、英国人プロデューサーのアダムが母国イギリスでファッションとしても流行しているという特攻服を着用して登場。日本だけではなく、世界中に発信・評価される映画『獣道』の魅力が詰まった記者会見となった。


映画『獣道』

 (2017年、日本=イギリス、上映時間:94分)

 ■イントロダクション
 キラキラではなく、ギラギラした青春群像。実話をベースにした“真っ黒な青春映画”が誕生した。『下衆の愛』の内田英治監督と英国人プロデューサーのアダム・トレルが再びタッグを組み、オリジナル脚本で“地方社会”のリアルを笑いたっぷりに描いた異色作。新興宗教にはまる親、未成年者を取り込む風俗産業、社会保障を食い尽くすヤクザとその手先として利用される不良ども……。そんなクソヤローたちに翻弄されながら必死に生きる場所を見つけようとする男女を描くブラック・コメディーだ。
 撮影には地元ローカルの不良少年らが出演し、地元警察監視のもとで撮影が行われるという異例の事態となった。注目のキャストには天才子役と呼ばれ現在も演技派として活躍をつづける伊藤沙莉と須賀健太の初共演が実現。伊藤は「女王の教室」「GTO」「その「おこだわり」、私にもくれよ!!」などに出演。「TRANSIT GIRLS」では連続ドラマ初主演を果たした。新境地となった本作で魅せる体当たり演技にも注目したい。須賀は『ALWAYSと三丁目の夕日』で人気を博し、近年は「ディアスポリス」など注目作に出演が続く。
 そのほかハーフ芸人として活躍するアントニーは地元を仕切る番長を、「太陽を掴め」で主演をつとめた注目の新星・吉村界人がその子分で狂気に突き進む暴走族を演じる。また、宗教ジャンキーの母親を演じる広田レオナ、実力派のでんでん、近藤芳正らが脇を固めた。
 果てしない獣道をゆく若者たちの運命はいかに。キラキラ青春映画の真反対をゆく問題作誕生!

 ■ストーリー
 とある地方都市で生まれ、親の愛を知らずに育ち自分の居場所を求め宗教施設や風俗の世界へ身を転じていく少女・愛衣(伊藤沙莉)。
 愛衣の唯一の理解者であり、彼女に恋する少年・亮太(須賀健太)もまた居場所を探す不良少年であった。
 居場所を求め続ける二人の純情は、やがて地方都市というジャングルに飲み込まれていく……。

 ■監督・脚本:内田英治、アダム・トレル
 ■製作:Third Window Films
 ■出演:伊藤沙莉、須賀健太、アントニー、吉村界人、韓英恵、冨手麻妙、松本花奈、川上奈々美、毎熊克哉、マシュー・チョジック、矢部太郎、でんでん、広田レオナ、近藤芳正ほか
 ■配給:スタイルジャム

 ■公開
 7月15日(土) シネマート新宿ほか全国公開

 © third window films


オフィシャル・サイト
 http://www.kemono-michi.com (外部サイト)





(オフィシャル素材提供)




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