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作品紹介

トップページ > 作品紹介 山河ノスタルジア

2016-04-25 更新

原題:山河故人
山河ノスタルジアsanga
© Bandai Visual, Bitters End, Office Kitano

イントロダクション

 世界三大映画祭すべてで受賞をはたした名匠ジャ・ジャンクー。最新作で描くのは、母と子の愛から浮かび上がる、過去・現在・未来へと変貌する世界と、それでも変わらない市井の人びとの想い。

 本作は第68回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された。上映後には5分以上にわたりスタンディングオベーションが贈られ、観客はこの一大叙事詩に胸を打たれ、互いに想い合うひたむきな愛の姿に共感の涙を流した。先立って公開された中国やフランスでは、ジャ・ジャンクー作品としては最大のヒットを記録し、世界を大きな感動に包みこんだ。

sanga デビュー作『一瞬の夢』以来、いかなる作品でも市井の人びとと同じ目線に立ち、彼らの営みから“中国のいま”を映し続けてきたジャ・ジャンクー監督。本作は中国が飛躍的に発展を遂げた90年代後半から物語が始まり、初めて未来にまで迫った大胆な野心作だ。経済成長のなかで人びとはより良い生き方を求め、ある者は故郷を去り、ある者はその場に留まる選択をしていく。時代のうねりのなかで翻弄されながら、彷徨い漂泊し続ける人びと。しかし、たとえ変わりゆく中でも、人びとは精一杯に生きている。想いを伝達する手段が大きく変貌した未来でも、技術の進歩ではないものが人の心を繋いでいく。その姿に、我々は希望を見出すに違いない。私たちは知っている。どんなに遠く離れていても、この空はちゃんとつながっているということを。

 本作は、過去・現在・未来の3つの時代で映画を構成するという大胆な試みに挑んでいる。1999年パートと2014年パートでは、カメラマンのユー・リクウァイと撮影した当時の映像を挿入し、時代を生きる人々の息遣いが映画に瑞々しい手触りを与えている。さらにジャ・ジャンクー監督作品では初となる、オーストラリアでの撮影を敢行している。

sanga 25歳から50歳に至るヒロインのタオを演じたのは、ジャ・ジャンクー作品のミューズであるチャオ・タオ。幼なじみのリャンズー役を演じたのは『プラットホーム』にも出演したリャン・ジンドン。ジンシェン役に起用されたのは、テレビドラマで人気を獲得し、映画への出演が相次ぐチャン・イー。タオの息子ダオラー役は、主演作が相次いで公開される人気急上昇中の若手スター、ドン・ズージェン。そして、ミア役を演じたのは、香港・台湾映画界の大スター、シルヴィア・チャン。ジャ・ジャンクー作品の常連俳優にスター、新鋭を加えた豪華な顔ぶれとなっている。

 さらに劇中には、ペット・ショップ・ボーイズの「GO WEST」やサリー・イップの「珍重」など当時の流行歌を盛り込み彩りを添えている。そして、本作がジャ・ジャンクー作品の3度目の参加となる半野喜弘の旋律は観る者の郷愁を誘い、深く心に染みわたる。

ストーリー

 1999年、山西省汾陽(フェンヤン)。小学校教師・タオは、炭鉱で働くリャンと実業家ジンシェンから想いを寄せられていた。タオはジンシェンのプロポーズを受け、結婚を承諾する。やがてタオは男の子を出産し、息子を“ダオラー”と名づける。

sanga 2014年。タオはジンシェンと離婚し、ダオラーとも離れ一人汾陽で暮らしていた。ある日、タオの父親の葬儀に出席するため、数年ぶりにダオラーが戻ってくる。隔たった母子の関係を取り戻そうとするタオだったが、ダオラーがジンシェンと共にオーストラリアに移住することを知らされる……。

 2025年、オーストラリア。19歳になったダオラーは、長い寄宿舎生活のため、もはや中国語をほとんど話さず自らのアイデンティティを失っていた。彼は、かすかに記憶する母親の面影を思い出し、母親と同世代の中国語教師ミアに魅かれ始める……。


(2015年、中国=日本=フランス、上映時間:125分)

キャスト&スタッフ

監督・脚本:ジャ・ジャンクー
撮影:ユー・リクウァイ
音楽:半野喜弘
出演:チャオ・タオ、シルヴィア・チャン、チャン・イー、リャン・ジンドン、ドン・ズージェンほか

配給
ビターズ・エンド / オフィス北野
Bunkamuraル・シネマほか大ヒット上映中!

オフィシャルサイト
www.bitters.co.jp/sanga (外部サイト)

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